気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

トナリはなにを食う人ぞ3

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「…稲葉さんのことが好きだよ」

「稲葉さんさえ良ければ オレと付き合ってくれませんか」

 

完結巻!

友人たちと遊びに出かけて、そこで色々と言われたり画策されたりで、それぞれに想うとこともあったようです。

土屋くんの駆け引きとか、佐久間くんの「人の好みって変わるもんじゃないですか」とかナイスフォロー。

 

というか、出会った当時には瀬戸くんに彼女が居て、稲葉さんを恋愛対象外と言っていたので、どっちもそれを言い訳にして踏み込まなかったんだよなぁ、と言うか。

じれったい展開も好みではありますが、この状況生んだのは瀬戸くん自身なんだよなぁ……もうちょっと焦れてくれても良かったのよ。

 

2人とも佐久間くんのバイトしているお店で行われる、結婚式のヘルプに参加したりもしてました。

瀬戸くんの腕が買われた形ですが、飛び入りが増えて中々の盛況っぷり。

酔客に稲葉さんが絡まれる場面もありましたが、しっかりガードに来た瀬戸くんは偉い。

 

就活が始まってスーツ姿の瀬戸くんに、よこしまな気持ち抱いてる稲葉さんが可愛い。

実家が農家だとかもあって、男性のパリッとした姿にぐっとくるとかなんとか。

そして、ついに稲葉さんが告白。ここしばらく距離を取られていたので、前振りがあったのに、料理教室必要ない宣言かと思った瀬戸くんよ……

まぁ、その後勘違いに気付きうなだれてましたけど。ちゃんと瀬戸くんも気持ちを告げて。晴れて両想い。その後のりっちゃんの「今頃気付いたのか」が笑えて良い。

 

就活も稲葉さんの方は手こずったものの、なんとか内定を貰えて。卒業が迫るということは、元々大学に近いから借りていた部屋をどうするのかって話も出て。

……同棲じゃなくて、隣人希望する辺りちょっとずれてるけど、ほんと微笑ましくて見ていて和む二人でした。お幸せに。

 


トナリはなにを食う人ぞ2

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「いいかげん あがってこいよ舞台にさ」

 

以前、タイプではないとバッサリ切られた瀬戸くんの事が好きだと気付いたは良いものの……ご飯が美味しくて体重が増えてしまった、稲葉さん。

初っ端からテンション低めですね……好きな人が出来たこともあって、ダイエットに励み、瀬戸からは微妙に距離をとる。

 

まぁ、隣人なので限界はありますけどねー。結局は事情もバレて、瀬戸くんがダイエット向けレシピを考案してくれることに。

付き合いが良いというか……友人がちょっとつついたみたいに、脈がないわけでもなさそうですが。さて。

「せとくんのレシピがおいしいのがいけないんだ」「ひどい言いがかりだな」のコマが好き。

 

付き合いで参加した合コンでうっかりバッティングしたり、雪で帰省が遅れた瀬戸くんとクリスマスイブを一緒にすごしたり。

なんかんやイベントをこなしつつ、距離が縮まっているようで、見ていて微笑ましいですね。

(そういえば優等生だったな…………)のコマとか、気が抜ける所もありますが。


トナリはなにを食う人ぞ1

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「ご飯どうもありがとう」

「おいしかったよ 「すずな」サン」

 

ガリ勉少女な田舎者だった、稲葉なずな。

地元を抜け出しいい大学に行くことを目標に勉強を続けて、中高ではろくな思い出も作れなかった。

青春を満喫したいと、大学デビューを果たし、一人暮らしを始めたものの……勉強に専念しすぎて、一人暮らしスキルが不足。

 

うっかりお金を使いすぎ、2週間で所持金300円のがけっぷちに到達するのは、逆にすごいと感心しそうになる。

よく一人ぐらし許して貰えたね……実家が農家で食材の仕送りなんかもあるみたいで、生き延びてますけど、ギリギリですよお母さん。

夏休みに一度様子を見に行って、生活状況次第では仕送りストップも考えてるという当たりが、許容範囲だったみたいですけど。

 

いざ料理にチャレンジしてみれば、指を切るし、ルゥの箱を火の近くに置きすぎて燃やすし、火災報知機まで鳴らすし、大わらわ。

隣室の住人から声がかかるくらいって、よっぽどですよ。それがたまたま同じ大学の青年で……食材があるのに行き倒れだのを見かねて、料理を振る舞ってくれて。

彼に頼み込んで料理を教わることに。一度醜態をさらしたから、と言うのもあるとは思いますが、行動力はあるんだなぁ……

 

スパルタ気質な瀬戸くんの料理教室「ひき肉はオレの提供」「ありがとうございます」のコマが小さいけど可愛くて好き。

ガンガン言われるけど、ちゃんと手を動かすし稲葉さんは偉い。

瀬戸くんも色々いいますが、見本をみせて任せるところは任せつつ、理由を添えて教えてるのはちゃんとしてるなーという感じ。

 

実家の野菜につられて始まった不思議な隣人関係。恩を感じてしっかり、それを返さなくてはと思える稲葉さんが良い子で微笑ましい。

料理になると人が変わり、色々な調理器具を揃えてる瀬戸くんも中々愉快な性格してますよね……

他の友人たちも楽しい人で、誕生日のお祝いする3話がお気に入り。「デリバリー301です…」の虚無顔が好き。


インフィニット・デンドログラム クロウ・レコード2

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「強敵だね…でも」

「「負ける気はないよ」」

ジュリエット主人公のコミカライズ、第二巻。

チェルシーだけじゃなく、マックスとセットになった三人娘(一人女装)が、このシリーズのメインになるんですかねー。

二人に連れられてスイーツショップに行ってるマックスが可愛い。

春休みでログイン時間増やせる―と喜んでるジュリエットに、予期せぬ致命傷与えてましたけど……うんうん、過ごし方違うと、思わぬ言葉が刃になるよね……

 

決闘ランカー30位になって、いきなり4位に飛び上がるつもりだったマックス。

流石に、天地で同郷だったカシミヤと狼桜についてはしってるようですけど。他の中位ランカーは調べても居ないって当たりが、若さ所の傲慢だよなぁ

「断頭台」思い出して軽く青ざめてましたけど4位に上がったら、その上カシミヤでは……?

 

そこで名前の出たランカー13位のシオン。

決闘・討伐・クラン全てのランキングで13位に調整しているという変り者。

「不幸収集者」なんて呼び名があるくらい、不吉なものを愛好しているようですが、ジュリエットとの相性は最悪だとか。

実際にあった事例を聞くと、そりゃあ仲悪いよね……それが両手の指で足りない程あるとか、どれだけ揉めてるんだお二方。

シオンの話題が続いて、ジュリエットが思わず「もうシオンの話はいいよお!!」と普通に叫んでましたからね……

 

そして、三人が揃って受けたクエストに場面が映り……

違法なモンスター売買をしている業者を摘発するお手伝い、だそうですが。ランカー三人と天地の忍者がセットになってくるとは、敵も哀れな。

そこでジュリエットが、ドラゴンを保護することとなっていましたが。

違法業者の裏側で蠢いている〈UBM〉までいるようで、渾沌としてるなぁ。

 

ギデオンからほとんど動いていないのに、多彩な事件が起こるので、遊戯派でも楽しいんだろうなぁとは思いますが。相容れない状況・相手と対峙すると一気にややこしくなるんですよね……

シオン、自分のルールを貫いてるゲーマーですが、この状況でやってくんな……って感じ。

さて、割と厄介な状況ですが、この後どうなるやら。続きが気になる良質なコミカライズですねー。良きかな。



願わくばこの手に幸福を

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「……分かったんだよ。今やっとわかった。このまま、何にもならない無為な時間を浪費した所で、状況は何も変わらない。普遍は腐敗を生み、そして俺は」

(略)

「きっと諦めるだろう。何時かは知らない、何処かで」

 

救世の旅に同行し、偵察などを行っていた男。

人々の希望を委ねられた天才たちの中に紛れ込んだ、凡人。

彼は才能がないために、ほとんどの仲間たちから厳しく当たられていて……それでも、可能な範囲で出来る事をやっていた。

 

そんな彼の前に、『運び屋』を事情する怪しい存在が現れる。

「一度だけ、人生を塗りつぶし描き直す機会」を与えてくれるという、信じがたい誘いを持って。

断られる事も想定していた、と怪しい存在は言っていますが、それでも彼は誘いに乗った。それは、自分の中に芽生えていた、諦念に気が付いたため。

 

怪しい誘いは真実で、次に気が付いた時彼は幼少期に戻っていた。

成長していた分の記憶と経験を持ったままで。とは言え、元が孤児で替えの効く冒険者の下っ端みたいな状況は変わらず。

以前犯した失敗をしないように立ち回ろうとしていますが、かつて迫害してきた仲間たちを前にすると冷静で居られないようで……自分を制御しきれず、思わぬ行動をとることもしばしば。

 

未来を知っていても、全ての危険を排除できるわけでもなく。自分の行動によって生じた新しい問題にぶつかったり、うっかり失念していて危地に踏み込んだり、見ていてハラハラしますね……

救世の旅一行に想う所がある主人公。命を奪うような凶行に走るわけではありませんが、彼と言う劇物に触れ、変質し違う道を選ぶようになるのなら、これもまた復讐モノと言えるのだろうか。

 

やり直しを選んだ男が、底辺から少しずつ上に行こうと足掻く、泥臭い話です。戦力的にはパッとしないので、定期的に痛い目見てますしね……

覚悟が極まってるので、かなり危ない手でも取れる辺りハラハラし通しで、先が読めない作品。


キノの旅 the beautiful world 2

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「これからどうするのさ キノ」

「さあね どうしようか」

「どうしようか悩み続けようか」

 

シオミヤイルカ版キノの旅コミカライズ。

「多数決の国」、「平和な国」が収録。プロローグ・エピローグは「砂漠の真ん中で」。おまけで「森の中で.c」が載ってます。

原作でもかなり初期のネタですよねー。懐かしい。

 

砂漠で雨に降られて、笑い続けるキノから始まって、その旅路が描かれていくわけですが。

「多数決の国」は、革命が起き多数決で全てを決めるようになった国の辿った結末について。十年でよくもまぁ、と言う感じ。

城壁はあるが門番はおらず、門も空いている。さらに、都市には人影も無く……たまたま出くわした人物から事情を聴く話。

 

道中で多くの墓標を見て、生存者はいないだろうと思っても「一つの国に三日」と言うルールを守ったために、人と出会えた。

「それくらいがちょうどいいんだって」と言う、話を守っているのが良いんですよね……

 

次に訪れたのは「平和な国」。

こちらは、誰にも出会えないなんてことはなく、多くの人々に歓迎されてましたが……道中でキノとエルメスは多くのミイラを見つけて。

この国と、もう一つの国が得た欺瞞の平和は、人の業を煮詰めた感じで物語のネタとしては好き。的にされた方からすれば、たまったものではないでしょうけど。

 


育ちざかりの教え子がやけにエモい

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「いらん。これでも教師だ。自分にうんざりしてることと、うんざりのきっかけに代償を求めるのは筋がちがう。筋がちがうことを生徒の前で見せられん」

 

イラストが可愛くてアド。

中学二年生ながら発育が良く、まとう空気も違うと特別視されている少女、椿屋ひなた。

告白されることもしばしばあって、クラスメイトからも「違う」と認識されている。

彼女の特殊さは生徒たちだけではなく、教師も把握しているもので。正直扱い兼ねている部分もあるようですけど。

 

家族ぐるみの付き合いがあり、彼女の幼少期を知っている隣人である小野寺達也は新米の中学教師で……ひなたの担任を務める事に。

本人としては知り合い故に、外してくれと希望していたようですけど。

教師と生徒としての交流と、お兄とひなたとの会話。公私が入り混じっている、二人のやりとりが楽しいですね。

 

タイトルと表紙の通り、この作品の中心にいるのは椿屋ひなたという少女なのですが。

章ごとに変わる視点に彼女のものはありません。

達也やひなたのクラスメイト、彼女と接点を得た先輩のもの。それぞれの視点から、多角的に彼女を見る。

お兄相手に言う冗談は、はたしてどこまで本気なのか。いったい何を考えているのか。描かれないからこそ、彼女の心が気になる。




聖剣伝説3トライアルズオブマナ 公式設定資料+完全攻略ガイド

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ゲームが好きなので★5です。

……というのは、まぁ半分くらい冗談ですけど。欲しい情報はたいてい揃うのでは。追加ダンジョンのマップは凄いありがたい。

……余りゲームをしないし、攻略本を買う事も少ないので、どのくらいの情報量なのか比較材料には欠けますけど。

 

最初にキャラクターごとのデータが掲載されてます。クラスチェンジの方向や、覚えるアビリティについて。

そしてシナリオチャート、マップデータと着て、アイテム・装備・特技などのデータ集が来て、後半三分の一くらいが設定資料集ですね。

 

マップデータでは、ゲーム内で登場したタイミングで掲載されてるので、キャラのオープニングで登場するアルテナや零下の雪原、ビーストキングダムのデータが前の方に乗ってるのは乗ってるのはちょっとした罠では。

地図画像だけじゃなく、ボスデータまで乗っているから特に。ただ、パッと見で情報が分かりやすいのは良いですねー。地図と道中雑魚のドロップ、ボスデータに絞っていて、雑魚のデータ(弱点属性とか)は後半に纏めている。

詳細データではドロップ確率も載せて差別化してましたし。いい塩梅だと思います。

 

資料集ではイメージアート。攻略本表紙にもある六人とフェアリーがマナストーンの前にいるやつの他、デュラン・アンジェラ、ケヴィン・シャルロット、ホークアイ・リースの別ルートそれぞれに用意されてるのは嬉しい。

2人ピックアップのも素敵ですが、六人そろってる画が良いんですよねぇ。マナの樹の前に六人が立ってる画とか素敵。

主人公たちのデザインも掲載されていて、クラスチェンジごとのイラストが見開きで見れるのは楽しい。

死を喰らう男のデザイン画(表情)は判別難易度高すぎませんかねぇ!?

 

ゲームそのものの話。

スーパーファミコン時代から好きで好きで、何周もしていたんですよね……懐かしい。

ある意味で評判になった聖剣2のリメイクには手を出してないんですが、3リメイクに関しては、昔の雰囲気を壊さず今風のゲームにしてくれて、個人的には大変満足。


ただ、画面サイズは調整させて欲しいな……テレビとPS4の設定いじっても微妙に見切れてドロップアイテムとかが微妙に分からない。「○色アイテムの種」になる。うーん、なに色かなぁ?! ちくしょう。
そんな感じで不満点もあるにはありますが。それも踏まえて好きだから推しなんだよなぁ……速攻で3ルート制覇しました。楽しかったです。

聖剣伝説3 TRIALS of MANA 公式設定資料+完全攻略ガイド (SE-MOOK)
スクエア・エニックス
スクウェア・エニックス
2020-04-24

世知辛異世界転生記

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「――さて、そんなあなたは一体何にお金を使うのかしら?」

 

WEB未読。

タイトルから分かる通り、転生モノです。チートで無双とは程遠い、世知辛い世界ですけれど。

農奴の両親の間に生まれた奴隷階級。さらに両親は、厳しさに負けて早逝というスタート。

何が悪いと言われれば、生まれた場所と世界が悪いという感じで……彼自身に責がない部分で、始まりから重く暗いので万人受けはしなそう。

 

幸せになってほしいなぁ、と見守る心境で読んでましたが、一歩どころか半歩進めるかも怪しい状況が続いて、メンタルに来る。ただ、文章は好みにあって、スラスラ読めましたね。

 

幼少期から日本人として生きた記憶を持っていたため、適度に力を抜きつつ、こき使われ続けた。

時にサボりを見つかり、折檻されたようですが、それでも生き……なんとか成人年齢まで命を繋いだ。

しかし成人になると税負担が重いので、他所の鉱山へ奴隷として売却される事になって。馬車に揺られていたら、その馬車が魔物に襲われる。

 

波乱万丈で、どの場面で死んでてもおかしくないですけれど、辛くも命を拾って都市までたどり着いたけれど、縁も金もない逃亡奴隷を救ってくれる聖人はおらず、すげなく追い払われる羽目に。

ただ、その近くにある主人公と同じような境遇の人の共同体、ラヴァル廃棄街になんとか潜り込んで、そこでようやくこの世界で初めて、優しさに触れることとなります。

前世の知識があるせいで、振る舞いや言葉遣いが農奴にしてはおかしいと危ぶまれたり、『廃棄街』特有の事情を呑み込めなかったり、世知辛い要素に終わりはありませんけどね……。

 

廃棄街の冒険者として、魔物への警戒を仕事として。お金を得て。

これまでより、よっぽど人間らしい生活をして。それでも危険が向こうからやってくるんだから、この世界は鬼だ。

チートはないけれど、妙な働きを見せる勘だったり、追い込まれた時に見せる戦いぶりだったり、謎はありますが。少しでもいい暮らし出来るといいなぁ。


カクリヨの短い歌

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「歌なんて、くだらないですよ」

 

積読消化。

7回ガガガ大賞受賞作。刊行はなんと20135月です。いや、刊行当時に買ってたんですって。その証拠に金帯ついてますからね。

大賞を! 7年も! 積むな! と自分にツッコミ入れたい感じ。

読みたい気分にならないと、読んでて楽しくないというのがモットーみたいなものなので、気が乗らないとこういう年季入った品が生まれます……

 

閑話休題。

タイトルに「短い歌」とあるように、短歌を主軸に置いた作品です。

一度、世界から三十一文字の歌が喪われ、帰って来た。

タイトルのもう一方、カクリヨとは失われた歌が迷い込んだ、異界のこと。逆に、歌が生まれ帰って来た世界はウツシヨと呼ぶようです。

 

しかし、ウツシヨに戻って来た歌は変質し、詠み上げると禍を招くものすらあった。

それ故に管理の必要が生じ、それが利権ともなり、歌を知る者同士での争いなんかも起こるようになったみたいですが。

普通の人々は、そんな事情も知らず、五七五七七の歌を諳んじる事も出来ない。

 

本格的に学んではいないけれど、国語の授業で触れた百人一首。未だにいくつか覚えていますよ。そういう人は現実にはそれなりに居そうですけど。

この世界には、ほとんど居ないのだ。何がしかの縁によって、禍を招かない歌を知る事もあるようですが、稀な例でしょう。

学校で学んだことも自分を構成するピースとなるわけで、喪失が、悲しいなぁと設定にしんみりしてしまった。

 

さて、まぁそんな世界で歌に触れている人々が描かれるわけですが。

祝園という、数多くの歌を収拾している名家の当主。

一人戦国時代なんて異名を持つ、傍若無人勝手気ままな歌人。

この二人を中心として物語が進みます。章ごとに、視点が切り替わる構成。

名家が抱える歌を狙った刺客を蹴散らす話があったかと思えば、一人戦国時代が歌の噂を聞きつけて東奔西走、持ち主を打破して歌を集める話があって、割と自由でしたね……

ファンタジー要素強めですが、戦闘がないエピソードもあり、全体的には落ち着いてる作品ですねー。嫌いじゃないです。

カクリヨの短い歌 (ガガガ文庫)
大桑八代
小学館
2013-05-31

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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