気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に適当に読んだ本の感想などを上げていってます。 ラノベ中心になる予定ですが、コミックとかWEB小説とかTRPGのサプリメントとか、とりあえず自分が読んだものの感想を端から書き連ねていく感じですかね。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。

異世界人と銀の魔女

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「信じられるか、お前なんか」
「…………」
「……でも、騙されてやる」


小説家になろう掲載の作品。
全270部で完結済み。

狂った世界に生きる魔女と終わりつづける世界から召喚された一人の青年。
すべては二人の出会いから始まった。剣と魔法とモンスターが登場する異世界ファンタジー小説。

と、あらすじにはあります。

あらすじにある通り、魔女の住む世界は狂っている部分があり、青年の世界には終わりしかない。
重圧に耐えかねた魔女が縋る縁として、召喚の儀を行った。
本来なら、幻獣や精霊が召喚されるはずが、なぜか召喚されたのは青年だった、と。
召喚の儀では一度分解され、再構成されるというプロセスが挟まる。
そのため、召喚ではなく、転生に近い現象が発生している。
青年は名前を無くし、元の世界には戻れなくなった。
責任を感じた魔女は、青年と共に行動をすることになる。
と、最初の流れはこんな感じですなー。

スキルとか冒険者ギルドといった設定は出てきますが、MMO-RPGモノではなく、普通のファンタジー世界。
世界観が色々と創りこまれているのが感じられて、結構好きです。

構成は「第1話 見知らぬ世界で/異世界の人」、というようなタイトルが付けられていて、話の中で、視点が切り替わります。
今の例で行くと、「見知らぬ世界で」は召喚された青年の、「異世界の人」は召喚した魔女の視点ですね。
話を追うごとにキャラクターが増えていくので、それぞれの内面が分かる構成であったのは、中々面白かったです。
ただ、誰の視点かは特に記されていないので、キャラが増えてくると、一瞬これ誰のシーンだ? ってなることがあるんですよね。
なので、どうせなら、だれの視点かまで書いてあると嬉しかった。

あとは、恋愛至上主義、ってわけでもないでしょうけど、作中で結構な数のカップルが誕生するので、その辺好かない人はご注意。
まぁ、メインから離れてそういうことをするシーンはないですが、後半になるとデートとかはたまにあります。
結構追い込まれているというか、仲間が少ない状態ではあるので、そういう日常的なイベントがあって、俺は楽しんでましたけど。 
素直になったシリルが可愛い事。
振り切っていた針が戻って、冷静になった途端恥ずかしがるとか、作者さんもよく判っている。
後は、ヴァリスが、術式使う条件をアリシアに少し隠していたときとか、さらっと甘いです。

異世界召喚要素が入るとチートとか混ざりがちですが、そこまででもなかったかなー。
いや、確かに味方陣営が禁呪ぶっ放す魔女だったり、概念すらも切る剣を取得したりと、結構ぶっ飛んだ戦力ではあるんですが。
俺TUEEEで力押し、っていう展開じゃなかったのは結構好ましいです。
割とあちこちで苦戦したり、負けたりしてますし。
相手側もさる者、というか敵側もそれを何とかできる程度には強かったりするからなぁ。
インフレが進んでいる。
困難を力を合わせて超えていくとか、そういう感じの流れは楽しんだんですが。
ラスボスがインフレの極みだったからなぁ。強いのはいいけど、どうにもそこで失速した感じはあります。

まぁ、キャラが多いですが、どのキャラも魅力あるんで、結構楽しかったですね。 

バカとテストと召喚獣 フィナーレ記念お蔵出しミニブック

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「ば、馬鹿な! なぜ生きている!」


タイトル通り、最終巻を記念に配布された、非売品の特典。
配布方法は店ごとに違うと思いますが、俺は最終巻買ったら普通にもらえました。

収録されているのは、7.5巻収録の闇鍋エピソードの没ネタ版。
あとは 2巻発売時にFBOnlineで組まれた特集の「キャラクター紹介記事」。

7.5巻の闇鍋エピソードと違う部分は、キャラが少ないのと、諸々考えている部分が削られているというところでしょうか。
福引で良い商品当てて、結果として闇鍋になるのは変わらないんですけど。l
これが第一校で、完成すると7.5巻のエピソードになるのか、と納得できる感じではありました。

しかし、鉄人とFクラスメンバーが二者面談をする形式のキャラ紹介記事の方が面白かった。
あの短いスペースでよくいつものテンションでバカをやれるもんですね。
バカの一年ってことで、後半は高い点数取るようになってしまったので、初期のバカらしいバカな感じは面白いですねー。
近いうちに読み返そうかなー。
 

バカとテストと召喚獣12

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「負けるわけないさ」
坂本はそんな心配を軽く笑い飛ばした。
「お前らが協力してくれるなら勝てる」
(略)
「いいか、お前ら。俺たちは――」
「「「最強だ!」」」


シリーズ最終巻。
三年生相手の「戦争」も佳境で、それぞれの抱えている問題にも決着がついたりします。
それなりには面白かったです。ただまぁ、なんといいますか・・・
この、三年生が、いけ好かないというか。
前回からの、終わりに向けての畳み方が、どうにも微妙に思えます。

合間に挟まるバカテストも、最初の方が面白かったですし。
今回なんて前回までの焼き直しばっかりですからね。
長いシリーズならではの演出とも言えますけど、あのバカテストは一発ネタな面もあるから、こう、切れ味落ちてて。
全体的に、終盤に向けて、どうにも失速してきたように感じていました。
だからこそ、この最終巻でどうなるかには期待していたんですが、 

雄二が本領発揮して、味方を囮にする外道な作戦立ててたりとか。
明久がバカなりに行動力を発揮して、問題解決したりとか。
ムッツリー二は最後までムッツリーニだったけど、一瞬格好良かったりとか。
まぁ、それぞれにそれなりの場面があったので、いい最終回だったようには思います。

ただ、結局のところ「三年生から仕掛けられた戦い」で「二年生は引き分けでもいい」というような話が本文中にもありましたが。
モチベーションが上がる理由が、あまり無いんですよね。
足を引っ張っていたBクラスの根本は排除されてて、愉快でしたけど。
そりゃあ三年の代表が、色々手を出してきて不快だっていうのはあるんですけど。
あの不快さをブッ飛ばすほどの爽快感が感じられなかったのは、残念。

色々言っていますが、バカがバカを理由に、諦めるってことをしないで、味方で潰しあいをしていようと、いざという時には協力し合ってる、学園モノとしては良作ではあると思ってます。
王道で展開も読みやすいですけど、まぁ、バカがバカなりに行動する、っていうところが面白みなんで、それぐらいでちょうどいいでしょうし。
嫌いじゃないんですよ。ただ、嫌いじゃない分、最後のつまずいた感じが、惜しかったなぁ、と思うだけで。

また似たような、大規模なバカを高校生くらいの少年少女がやる話を予定しているそうで。
予定なんでどうなるかはわかりませんが。
次のシリーズに期待しますかねー。

バカとテストと召喚獣12 (ファミ通文庫)
井上堅二
エンターブレイン
2013-11-30
 

はたらく魔王さま! 4

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「私が目指した平和はみんなが笑顔でいられる平和よ」
「犠牲を必要悪と断じて友達を泣かせた事実に目をつぶる」
「そんな平和のために私は戦ってきたんじゃない」


わりと良作のコミカライズ。
今回は原作2巻の鈴乃の正体が勇者に発覚するところから、魔王様が勇者を助けに行くところまで。

どのキャラも生き生きしているので、楽しく読めるんですよね。
猿江さんが挨拶に来たときのちーちゃんのふくれっ面とか。
買い物終えていきいきしている鈴乃とか。
芦屋と鈴木さんの初対面のなんやかんやとか。
丁寧に描かれているから、安心して読めますね。

原作の最新刊で魔王に豆腐メンタルと評されていた勇者さんですが、このシーンでは格好良かった。
ちゃんと友人を護ろう、って自分の意思で行動している感じがしましたね。
しかし巻を追うごとに悩みが増えて、豆腐メンタルが露わになっていくわけですが。
原作の次の巻では、どうにか取り返していってほしいものですな。

巻末には、ニートこと漆原の生活模様が描かれている「ニート、労働に挑む」と色々考えてあたふたしているちーちゃんが可愛い「女子高生、デートに備える」が収録されています。
ちーちゃん、魔王さん好きすぎないか、と思いますが。
うん、そこが魅力というか、こんな女子高生がそこらにホイホイいても困りますけどね。
女子力高くてちゃんとヒロインしている感じがします。
魔王さんそろそろ結論出せばいいのに。

はたらく魔王さま! (4) (電撃コミックス)
柊暁生
アスキー・メディアワークス
2013-11-27

 

多神の加護

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「『誇り高き騎士』様は、正々堂々戦って死ぬだけでいいんだろうけど、
 俺は卑怯でも生き残らなきゃいけない理由があるからな」


小説家になろうに掲載されている小説。
連載中で、記事書いている時点で153部。
第1話~第148話まで。途中で断章といいますか、横道にそれている話が挿入されているので、少し話数と総部数はずれてます。
章立てとか、サブタイトルとかが無いので、目次がみにくいのがちょっと難点か。

立ちくらみに襲われ、気が付いたら異世界に召喚されていた、神野響。
特に何かしろと支持されることもなく、街に放り出されていた。
魔物とか、獣人とか、わかりやすくファンタジーな世界ですね。
魔王がいて、勇者が現れることが期待されているあたりも、テンプレではあります。

召喚された際に『加護』と呼ばれる力を得て、ステータスが強化されていたため、冒険者として生きていくことに。
加護の強化はチートレベル。
しかし、堅実というかなんというか、地道に進んでいく感じですかね。

絶望することもなく、しれっと世界に溶け込んでたり、奴隷を買ってしまったりとか。
いや、人助けな面もあるから悪いとは言わないけど。
異世界召喚モノで、奴隷というと、そういうことをいたすシーンがあったりするので、そこも好みが分かれるところでしょうか。
特に情報を与えられてない状態で異世界に放り出されて、適応できるのはすごいと思いますね。
一週間でだいぶ世界に詳しくなっているのとか、意見分かれそうな気もしますが。
主人公の、創意工夫を怠らないところは結構好きですね。

堅実に異世界生きてるあたりは嫌いじゃないです。
ただまぁ、結構のんびりしている部分もあるよなぁ、という感じで。
結局どういうところに落ち着くのかもまだよく判りませんなー。
決着がつくまでにはしばらくかかりそうです。ま、それだけ長く楽しめるってことでもあるんですが。
 
最後に、自分の覚書的にちょっと、簡単にまとめて感想をば。
最初にも書きましたが、作品のページは、特に章立てとかないんでご注意を。

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盟約のリヴァイアサンⅢ

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「屠竜の弓と共に生き、『王への道』を突き進む覚悟が定まったのか?」
「いいや。その大層な名前の無理ゲーに参加するふりをしながら、ひたすら裏技を追及したり、システムの不具合につけこんで要領よくやる覚悟だよ」 


羽純がかわいかった。うん、予想以上にいい助手になってましたね。
あとア●●ャさんは哀れ。さすが残念系女子というか、女子力低いというか。
付き合いが一番短いはずの羽純の方がよっぽどヒロインしてませんでしたか?
M部長に前回、色々足りないといわれていたのも納得と言いますか。
女子力低いから、学校周辺のおいしい料理屋開拓するばかりでヒロインレースから脱落しかかかってるとか・・・ある意味で新しい。
いやまぁ、残念系ヒロインの道を突っ走って、属性つけていけばいいんじゃないでしょうか。

雪風さんも結構おいしいキャラですよね。
結構好き勝手生きているようですが、それこそが竜王だっていうのがひしひしと感じられる感じで。
迦具土が老練で自称「悪魔」で、裏でこそこそする感じでしたけど、雪風は罠があろうと蹴散らす類の人なんじゃなかろうか。
春臣を、遊び相手として認識したようで、これからまた騒ぎを起こしてくれるんじゃないでしょうか。

今回春臣が、本領発揮というか、結構真面目だったんじゃないでしょうか。
隠居を目標としているからこそ、今目の前の課題には真摯に取り組みますよね。
秘文字を持ったことで、隠居計画を少し先送りするようですが、捨てない辺り、相当だなぁ。
トレジャーハンターじみた経歴を持つだけあって、今回こそこそやっていたことは結構びっくりした。
そういうことの専門家とはいえ、問題突きつけられている中で、自分にできることとして調査をやり続けるんですから。
最低限の責任を果たした、と本人は言っていましたが。
雪風にも評されていた通り、結構賢者というか、まぁ、策を練るタイプなんでしょうねー。
『王への道』についても、色々と考えているようですし。

日常パートやら、新キャラとかも、結構いい味出してましたね。
それだけに後半の戦闘がこう怒涛過ぎた感じも。
3連戦ぐらいあったので、そこは盛りすぎだったんじゃなかろうか、とか思いますが。
RPGをキャラにさせるというコンセプトがあったそうで。
これから装備を整えていく上級者編に入っていくそうなので、今後も楽しめそうです。

盟約のリヴァイアサンIII (MF文庫J)
丈月城
メディアファクトリー
2013-07-24

盟約のリヴァイアサンⅡ

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「いろいろ難儀なことになってんのねえ、アンタたち……」


前回、挿絵なかった、白坂羽純が大活躍と言うか。
挿絵にバンバン出てきて、いい活躍してましたね。
丈月さんの作品で、妹系のヒロインって珍しいかなーと思います。
カンピオーネのヒロインズは強いからなぁ……

ただ、守られるだけじゃないヒロイン、っていうのはいいと思います。
個人的には結構好きですよ。天使と謳われるのもよく判る。
アーシャの空回りっぷりも楽しんでますが。

しかし、M部長がキャラとして結構愉快だよなぁ、と言いますか。
どう見てもネタキャラにしか見えないのに、割としっかりアドバイスしてくれてるんですよね。
アーシャを評した、
「アンタに欠けているのはね。自分の潜在能力を活かすためのセンスと運と決断力、バイタリティ、演技力、ヴィジョン、セルフプロモーション……」

ってくだりが結構笑えた。アーシャさん、さすが残念。女子力低いヒロイン。
竜とリヴァイアサンとの戦いも面白いんですが、こういう日常の演出もいい味だしてるから、読んでいて飽きないですねー。メリハリがあるというべきか。

前回はただ振り回されるだけだった、「ルルク・ソウンの秘文字」。
それを振りかざす銀竜と、少しずつ把握してきた春臣の戦いは熱かった。
最初あっさり負けたときはどうなる事かと思いましたけど。
文字の力を効率よく扱うための「魔導の杖」も見出し、どんどん隠居計画が遠ざかっていきますねー。

銀竜を撃退し、秘文字も明らかになり、取扱い注意な物件になってきてますが。
竜王にも、悪魔とアーシャに言われた魔女にも目をつけられているようですし、どういう行動に出るのかが楽しみですねー。

盟約のリヴァイアサンII (MF文庫J)
丈月城
メディアファクトリー
2013-03-22
 

THE NEW GATE

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――――全てを救うなんて俺には無理だ。どこまでやれるかなんてわかるかよ。


小説家になろう連載の作品。
連載中で現在33部。
著者ページみると、今月の20日あたりにアルファポリスから書籍化されるそうで。
保管は今のうちに、とも言っているので、書籍化すると下げられるのではないでしょうか。

デスゲームと貸したVRMMO、「THE NEW GATE」。
主人公のシンはゲーム時代に、様々な伝説を残した「六天」と呼ばれる1人だった。
その実力をもって、ラスボスを倒し、デスゲームに終止符を打つ。
ラスボスを倒し、安心したのもつかの間。
ダンジョンの最奥にあった扉が開き、シンは、本物の「THE NEW GATE」の世界にいた。

デスゲームから脱出したと思ったら、異世界トリップしてました、というお話。
異世界トリップした先は、同じ世界、しかし時代は変化していた。
500年もの時がたち、デスゲーム自体の高レベルプレイヤーは伝説となり、いくつかの種族は滅びたともされた。
サポートキャラとして作成していたNPCが自我をもって行動しているっていうのも、良い演出にはなっている。

デスゲームクリア! がプロローグで、今度は異世界かよ・・・ってところが本編ですな。
しかし、六天の連中は、阿呆というか、本気の廃人ですよね・・・
生産職をきわめてトンデモ実験を楽しみつつ、普通に戦闘もこなせるメンバーだっていうんだから。
武器を作り、高レベル素材を求めてダンジョンに行き、新しい武器を作り次のダンジョンに、っていうけど、それが簡単にできれば、戦闘系とか生産系とかの区分って生まれないんじゃなかろうか。
まぁ、ほとんどその手のゲームやったことないので、よーわかりませんが。

しかし書籍化するにしても、33部しかないと、これから先が大変なんじゃないかとか思うんですけど。
もう少し連載進んでからでもよかったのでは、と思わないではない。

俺TUEEEものではあるんですけど、こう、チートだったキャラが異世界来たらさらに強化されて超チートになっているので、こう、苦戦? なにそれおいしいの?って感じで。いや、それでこそ俺TUEEEなんですけど。
なんていうか、それにしたって、戦闘があっさり風味というか。
ジラートとの戦い辺りは、結構面白かったので、あのレベルの戦いをこれからも描いていってほしいものですが。
さてはて。書籍化でどうなるか、ですかねー。
 

クロックワーク・プラネットⅡ

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「(前略)このボロボロの世界に価値なんてないかもしれないけど、それでもちゃんと意味はあるんだった」
なぜなら価値を認められるのは他人でも、意味を認めるのは自分だからだ。
だから人は誰しも自分の生まれてきた意味を探すために生きていく。


寿命を迎えた地球を、歯車によって再生させた、「時計仕掛けの惑星」の物語。
1巻が4月に出ているので、実に8か月も間が空いたんですねー。
次回に続く展開になっているので、もう少し早く出てほしいようにも思います。
しかし、この作品。「榎宮祐」という爆弾を抱えているわけで。
・・・えーっと、本気で倒れちゃわないんでしょうか、大丈夫? と心配になる事間違いなし。
著者コメント欄でも合同の後書きでも、結構すさまじいことになっているようにも思うんですが。
まぁ、とりあえず、仲良いですね、とは言いますが。お大事に、とも言いたいところ。

さておき、本編の感想です。
表紙にも帯にも登場しているので丸わかりですが、1巻で出会えなかったリューズの妹「アンクル」が登場します。
この調子で一巻ごとに「Y」の遺産を継いでいくんでしょうか。
次回は流石にそこまでの余裕ないように思いますけど。
兵器として作られたというアンクル。その性能は、前回圧倒的な力を持っているように見えたリューズに勝ち目がないといわせるほど。
いや、前回確かに「最弱」とは言っていたけど、現行の兵器ものともせずあっさり破壊したリューズに勝ち目ないとか、ちょっと製作者はっちゃけすぎじゃね?
地球を時計仕掛けで再生するって発想自体がとちくるってますけどね。

プロローグの前、序章も序章というか、最初に軽く触れられてますが。
永遠は存在し得ないのが真理だというのなら。
その真理さえもが永遠ではありえないのだと。

『彼』はそう考え、だったら直せばいいじゃないと思ったのだろう、とそんな感じに書かれてます。
まぁ、今回のアンクルの機能が『永遠』を体現する「永久機関」だっていうんだから、そっちの話でもあるんでしょうけど。
こういう前提からひっくり返そうとする発想は結構好きですよ?

1巻の最初に、ナオトたちが秋葉原でテロをしていた理由とかに迫る内容でした。
しかしまぁ、京都をパージしようとした前回も思いましたが、人類終わってね?
いつの世も悪い事考える人は尽きないというか、エゴによって回っている部分あるよなぁ、とか痛感させられました。
地球が終わった時に、ある意味で終わってしまった部分もあるんじゃないかと。
歯車で再現され、異常が出た場所をパージすることで延命してきた世界。
時計仕掛けだというのなら、本来僅かでもかけたら動かないはず。
しかし、パージされてなお、他の場所が補い、周囲にいくらかの影響を及ぼしながらも、世界は存続している。
そのことに対する甘えというか、理解できずに思考放棄した人が多すぎるんでは。
いやまぁ、『虚数時間』とか『永久機関』創っちゃう人間の制作物を理解できる人間なんてそうそういてもらっても困るんでしょうけど。

政府も、軍も、五大企業も。
だれもがあちこちで歪になってしまっているんじゃないか、と思います。
第3章で、マリーが尋問した相手の叫び。
勝手なことを言うものだ、と感じましたが、あの人にとっては確かにそれが事実だったんでしょう。
主人公たちにとって優しくない展開になりながら、それでも折れない彼らがいいですね。
前回の事件は赦せないだろうし、それに報復があったのも自業自得。
それを許容できずに、あちこちで歪みが表面化してきた感じでしょうか。

作中で「数百年かけて足がかりを得るような作業」を2人は「3日」で仕上げます。
ただ、この惑星が時計仕掛けにされてから、1000年。
2人がやったテロ行為につながるようなものは別として、この機構を理解しようと、足がかりを作ろうとした人はいないんでしょうか。
『技師団』も維持と保全が仕事のようですし、彼らにもわかっていないこと多いんじゃないかなーと。
前回みたいに、変な思惑もって動かれることもありますし。
まぁ、そんな背景の事とか考えながら読んでいましたが。

とにもかくにも、前回描かれていた、キャラ同士の愉快な掛け合いだったり、2人の異能と才能の合わせ技だったり、独特の世界観にあふれる魅力とかは少しも衰えることはなくここにありました。
気に入ったシーンもいくつか。
リューズとナオトがマンガ喫茶のカップルシートでイチャイチャしまくってたりとか。
マリーとハルターのアクセルとブレーキじみた掛け合いとか。
アンクル修理するシーンは、アレをやった「Y」ってやっぱり頭おかしいわ、っていうか。
凡人なんでナオトが何を言っているかさっぱりわかりませんでした。アレわかるのナオトくらいだろうけど!

しかし、いい作品読むと心が潤いますね。
満喫しました。


 

クロックワーク・プラネットⅠ

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「理想を追求するのに最も都合のいい立場って何だかわかる?」
(略)
「それはね――テロリストよ」


ラノベには珍しい共著という形式を取っています。
MF文庫Jで『ノーゲーム・ノーライフ』を刊行している榎宮祐と長年の友人であるらしい暇奈椿。
この二人の発想がいい塩梅で混ざって、読んでいて楽しい。
2巻を読んでから1巻の感想を書いてるんですが、マリーが一度叩きのめされて、それでも折れなかったところには好感が持てます。
しかし、ただ1巻だけを読んだ時点では痛快だと思ったことが、跳ね返ってくるんだから、容赦ないですよね。
まぁ、2巻がからむ感想はおいておいて。

寿命を迎えた地球を、歯車の力で時計仕掛けのように作り変え、延命している世界。
作り変えられてから1000年後、地球をつくりかえた異才の制作物をもってしても、機構には歪みが生じ始めていた。
まぁ、現在でもある機械式時計も、部品の摩擦を防ぐための油が揮発するから、数年に一回はメンテしないといけないんですよね、確か。
それを地球規模でやったら、メンテナンスもそりゃあ大変でしょう。
ましてや、地球の機能を歯車で再現するなんて、トンデモな代物を扱いきれず、あちこちに異常が生じ始めるのも、まぁ致し方ないことなんじゃないかと。
しかし、作り変えられてから1000年が経過しているというのに、危機感とか無いんですかねぇ。
歯車を用いたさまざまな道具だったり、自動人形だったり、果ては兵器だったり。
まぁ、諸々新しい技術っていうのは生まれているようですけれど。
延命処置に甘えて、抜本的な対策っていうのを取れているんだろうか。
地球が死にゆく100年は対策を練るのに短かったでしょうけど。
作り変えられた世界が永遠だと約束されたはずがないのに。

まぁ、そんな状況に対してはいくらか不満はありますが。
その程度の事を置いていくくらいには、この作品に入れ込んでますな。
一読して、面白かった! と思えるのは当然ながら、何度も読み返したくなる魅力があります。

共著である二人が、それぞれに考える天才観を描き、その2人が最後にやり遂げたことは素晴らしい、の一言。
ナオトの持っている異才、異常な聴覚とそれによって得た情報を把握する能力。
マリーが努力と天性の才を持って獲得した、一級の時計技師としての技術。
それぞれのキャラが自分の主張を持っていて、それに従っている様がいいです。
ナオトは勉強できなくて、機構フェチの変態ではありますけど、それだけに自分の「耳」と欲求には素直で分かりやすいキャラなんじゃないでしょうか。
その異能と、リューズを修理できた発想についてはまったくもってわかりませんが。
まぁ、それはどちらかというと制作者の「Y」が一番頭おかしいと思っているので。

ただまぁ、その割に敵役はいつの時代においても進歩がないというか。
今回は、分かりやすい悪役も出てきていましたが、組織として腐敗している部分もあるんじゃないかと。
マリーが打った報復の一手が容赦なくていっそ笑えましたね。
2人が協力するときの熱とか、痛快さとか、日常でのドタバタとか。
その全てが、うまくかみ合って、回っているんだなぁ、と思いました。


 
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