気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。

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「魔女だ魔女だとうるさい。魔女に依頼に来たんだ。そんなことは、最初から知っている。俺は、魔女のロゼがいい」

 

法に、国家に縛られぬ存在である魔女ロゼ。

祖母や母からその力を継ぎ、湖の真ん中に浮かぶ小島に居を構えていた。

薬師が調合出来るようなものから、魔女の魔法を注いだ特別なものまで。

そんな彼女の下に「惚れ薬」の依頼を持ち込まれて。

 

それだけならただの依頼ですが……タイトルに在る通り、問題なのは依頼してきた騎士がロゼが「好きな人」と言う辺りで。

せめてもの仕返しで、材料の情報を小出しにしたりしてましたが。それでもちゃんと薬を作って渡す辺り、仕事には真剣ですよね。

魔女の在り方ゆえでしょうけど、不器用な彼女が、もっと救われてほしいと思わずには居られない感じで。

 

「魔女」と言う存在を人々は恐れ、ロゼの祖母が死んだときには街の人々が喜ぶ様子を見せつけられて。

そんな大衆の行いを、「人が死んで安心したとは、胸くそが悪い」と言ってくれた場面はスカッとしましたね。これは惚れるのも仕方ない。

 

依頼者のハリージュが少しずつ彼女を知り、気に掛けるようになっていく様子は微笑ましかったです。

いやまぁ、基本的にはレタスしか食べませんとか言う食生活の偏りですとか、部屋の荒廃っぷりを見ると心配になるのも頷けますけどね。

最初のうちは振り回されていた彼が、次第にロゼに惹かれていくのが丁寧に描かれた素敵な物語でした。

 

Twitterでフォローしている人が書籍化をそれは喜んでいらしゃったので、気になって購入したのですが、良い買い物ができました。大変満足。

電子版を買ったので、ハリージュが使用人に微笑ましく見守られる短編が読めて良かったです。



異世界居酒屋のぶ5

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「食材と料理は相性と愛情! 夫婦の形もね」

 

常連の衛兵さんたちが、からあげの味付け論争で白熱してて笑う。

まぁ、衛兵が飲み屋でそんな話題で盛り上がれるくらいには平和って事でしょう。良きかな良きかな。

エトヴィン助祭が、キナ臭い雰囲気を漂わせてましたけどね……

 

大司教の来訪やら何やらで普段と違う客が入って来たり、揉め事も発生してましたが。

自称・放蕩者のアルヌが見事にあしらってました。

料理を絶賛し、店を満喫してたようですけど……詩が下手と言われ、容赦なくたたき伏せてるのに笑った。

面子もあるだろうけど、あそこまで軽くやられた後に即座に仕返しに来るなよ……

 

ヘルミーナさんが子供を授かったとかで、おめでたいですねー。

仕事に追われながらもちゃんと新婚生活満喫出来てたのかとちょっとびっくり。

いやまぁ、夫婦煮の時といい要所で惚気てましたけどね。



そして黄昏の終末世界2

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「……やはり、私たちは報いを受けるべきなのでしょうね」

「当然だ。なにもないでは済まされない。誰も、納得はできないのだ」

 

2年ぶりの新刊―。ちょい内容忘れてたので1巻も読み直してきました。

序章が、東雲が復讐に生きる男だっていう事を改めて突き付けられて、本編との温度差に震えた。

その内の1人は、罪の重さを自覚し、今わの際にあっても相手を気遣える持ち主だった。……そんな相手が、戦禍を生み出したというのが、辛いなぁ。

 

同じ作者さんの『異世界魔法は遅れてる!』と同じ世界。

水明が所属しているのと同じような、裏側で繰り広げられている戦い。それを認識できる人も少ないみたいですけどねー。

サクラメントと言う強力な武器を持ってなお、9位だっていうソード・オブ・ソードの4位につけてる初美の父上は一体何なんだ。

 

あと、後半でしれっと名前出てた「イブニングフォール」って水明だろ! 変なところで接点あるな。なにしてんだ彼。いや確かに『異世界魔法は~』の方でサクラメントの持ち主にあったことあるとか言ってましたが。

水明が辛くも撃退したっぽい『魔に堕ちた十人』を超える存在と謳われてるとか、ゼルヴァ―ナの騎士も凄まじいですね。よくもまぁ、それを敵に回そうと思ったものです。

 

仇の存在を探るため、御姫の吸精症を隠すためと言う目的があって、シスカ日本支社に協力する事になった東雲。

表向きの理由としては、御姫のためとか言っているせいで、こうよくある巻き込まれ主人公系のようになってますが。

刻の黄昏を知らなかっただけで、彼は地獄を見て戦争を経験している、歴戦の猛者なわけで。まぁ、社長たちからすれば幸運この上ない話ですよね。

戦力が足りないところに鬼札が加わったわけですし。

しかし東雲の言動は、危ういというか、正直喋りすぎじゃない? みたいな気もしますけど。

 

ゼルヴァ―ナの騎士であることを明かすつもりは当面なさそうで、自分のサクラメントも伏せようとしてますが……知識があることとか、明け透けすぎてちょっと笑ってしまった。

変にとぼけて説明パートが長引くより、サクサク進行してくれて助かりましたけど。

 

組織の実働部隊に、クラスメイトの古道いつきが居て。彼は突然チームに加わることになった東雲に対して不満を隠そうとせず、無茶な試しもやってましたが。

サクラメントを遣わず、魔術で誤魔化しているとはいえ、一般人居る場所で剣を奮うとか。若いなぁ、って感じがしました。終盤、新しい敵が現れた時には協力出来てて、今後が楽しみな状態にはなってました。

しかし古道の剣を知ってる恭介の謎は深まりました……

あと、あるキャラの秘密が表紙や挿絵でモロバレしてるのはちょいとどうなんだと思ったり。3巻はもうちょい早めに出てくれると嬉しいですねー。



りゅうおうのおしごと!11

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「そんなものより、もっと…………もっと欲しいものが、あるッッッ!!」

 

私を殺してと言って、包丁を自らに突き付けた銀子。

そんな姉弟子を見て、どうすればいいと悩む八一。考えて考えて、上手く取り押さえて。

銀子の目に光がないのが本当に怖かった。

彼女の絶望は深く、言葉をいくつか交わした程度じゃ如何に八一でも、救い出せない。この場合は、八一だからこそ言葉が届かないというべきですかねぇ。

 

折しも名人が国民栄誉賞を受賞されるかもしれないタイミング。

そこで『浪速の白雪姫』と呼ばれる将棋界のアイドルが失踪したり自殺未遂したら、最悪のスキャンダルになる。

とそんな事情も相まって、月光会長から二人で数日の逃避行を勧められることに。

宿の手配をして、各所への連絡も請け負ってくれて、最高のサポートでしたね。

「悪党」とか八一に言われる場面もありましたが。

『八一くん』と。『銀子ちゃん』と。そう、名前を読んでくれたあの台詞はとても暖かくて、打算もあるでしょうけど、それだけじゃないと感じさせてくれました。

 

姉弟子を連れて自殺の名所に行って。そこから八一の実家に顔を出すことに。

衝撃を受けたり、緊張している姉弟子は可愛かったです。

合間合間で、表紙にあるような幼少期の二人のエピソードが描かれて。この二人、手をつなぐことに躊躇いがないなーと思っていたら、この時からだったんですね。

『二人で外に出る時は必ず手を繋ぎなさい。それが出来なければ破門や』という師の教え。それをずっと守って来て……けれど、いつしか離れてしまった。

 

空銀子という少女が、いかにして将棋に出会って棋士になったかも描かれていきました。

体が弱かったこと。病気のこと。八一の周囲にいる女子を蹴散らしていったこと。

女流のタイトルに挑戦したこと……そうした積み重ねの果て。「一番いいと思った道が行き止まりだった」という独白が胸に痛い。

ここまでフラストレーションを溜めた果ての「封じ手」は中々痛快だったというか、八一が男を見せてくれて評価を一段も二段も上げましたねぇ。格好良かった。

その後別の女の事気にしてばかりで減点くらってましたけど。まぁ、彼らしい。

 

銀子が復活し、彼女も将棋星人の領域へと足を踏み入れて、また壁にぶつかるかもしれないけれど、今の彼女なら大丈夫と信じられます。

……桂香さんが、伝えなければならないと思っている事とか、あいに関する気付きとかで不穏な気配もするんですけどね……




りゅうおうのおしごと!10

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「い………………いつ、から……? いつから……そんなことを考えて……?」

「最初に将棋を指した、その瞬間から」

 

始業式を迎え、担任が変わったというあい。

それまでの先生は将棋に理解があったが、若い女性の先生ということで、あいが内弟子として八一と同居しているのを問題視。

まぁ、打倒ですよね……とはいえ、始業式のその日から、事前連絡なしの家庭訪問には首を傾げてしまいますが。

JS研のメンバーの訪問と、小学生向けの大会の話が出て、そこで戦果があれば考えるということに。

 

とはいえ一番才能のあるあいは既に女流なので、アマチュア大会には出られないとのこと。

彼女自身も女流としての対局があって、JS研のメンバーと道を分かつような態度を見せてました。

指導の一環として小学校のスペースを借りたりして、八一のプロらしい一面も見れました。

 

しかし、本当に震えたのは、彼が隠していたあいの指導方針で。

将棋に全てを捧げた棋士の顔。観戦に来ていた先生が「わからなくなりました」と言うのも無理はない。

そして、大会が始まって。未熟だろうと、JS研のメンバーはそれぞれに最善を尽くして戦った。その姿はとても眩しく……

 

最後の、三段リーグで連敗を喫し、八一の下へ駆け込んできた姉弟子の深い絶望とのギャップが凄まじいことになってました。

桂香が八一と交わした約束の事と、これまでに描かれた姉弟子の追い込まれっぷりを見ると予想出来た展開ではありますが、予想以上に暗くて驚きました……


異世界居酒屋のぶ4

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「打ち合わせの場所は?」

「聞くまでも無かろう」

 

常連が出来て、「イツモノ」なんて注文が飛び交うくらい。

活気があって、楽しそうでいいですね。一話から通っていた衛兵のハンスが衛兵を辞めようかという話をニコラウスとしてました。

なにやら進みたい道が見つかった様で。彼が抱いた夢がかなうといいですねぇ。

 

水運ギルドもウナギ騒動をきっかけに関係が改善してきたようで、隣り合って食事してました。

のぶの影響力凄いなぁ、と感じますが。当人たちは、真摯に営業してるだけなんですよねぇ。だからこそ、なんでしょうけど。

規模が小さいラインホルトは、新しい特産品を取り扱おうとして。

タコをのぶに持ち込んで、実際に調理してもらってその美味さを披露するとか。中々策士です。

ウナギ騒動で味を占めたろう。……まぁ、それが無くても常連っぽいですけどね。



異世界居酒屋のぶ3

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「客を放っといて賄いか たいした店だ」

「皆さん肴もお酒もあまり召し上がらないようですので」

「ム…」

 

どの店でも断られた果てに、のぶで開催される事になった、水産ギルドの会議。

険悪な空気に他の客が逃げ出すほど。

料理も酒も出しはしたが、全く手を付けない状態で、開き直って自分たちの賄いを作りだす辺り強い。

会議の話題でウナギの名前が出て、古都の市場で買ってきたという流れで、結果として良いフォローになってまとまってましたが。

 

イカ嫌いだったベルトホルトさん、結婚の話は上手いことまとまった様でめでたいですね。

ただ、不測の事態があってすぐに新居に移れなくなって。お嫁さんを一時のぶで働かせてほしいと提案されて。

うなぎが話題になって大忙しだったため、人手が増えて助かったようですねー。彼女のアイデアのおかげで混雑も上手いこと解消できてましたし。

 

このまま順調にいけるかと思いきや、のぶで提供している「トリアエズナマ」が流通を禁じられている品だと絡んでくる客がいて。

ちょっと不穏な空気が漂ってましたが、早期解決して良かった。古都の人々と培ってきた絆が生きて、多くの人が手を尽くしてくれて。そうしてもらえるくらい良い店なんだな、と改めて実感しました。



りゅうおうのおしごと!9

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「俺は、棋風は『憧れ』や『想い』が出ると思う」

 

女王への挑戦権を得た、天衣。

それは同門での対決を意味して、自らの姉と弟子が対面することとなって八一は結構大変そうでしたが……

 

『浪速の白雪姫』。女流相手に完勝を続ける、空銀子という棋士の置かれている環境を、初めて見る事になるんですよね。

八一や桂香も知らなかった、『白雪姫』に向けられる、むき出しの残酷な感情。

外から見ていただけの桂香ですら重圧に苦しみ、涙すら流したその圧を、彼女は感じ続けていたわけだ。

 

幼い挑戦者。今は亡き父母との誓い。

そうした物を背負い、追い込まれながらも最後には立派な挑戦者の顔になった天衣に脱帽。

戦いを通じて、良い方向へ成長してくれてました。                        

天衣の祖父や晶さんも、序盤でちょっと八一をまきこんでコントじみた事したりしてましたが、しっかり彼女を見守っているのが良かったですね。

 

けれど、彼女達でも彼女の凍った心は融かせなかった。

なぜなら、彼女の魂は将棋の形をしていたから。将棋を通して繋がっている師であり、熱い将棋を指す竜王ならば、と。

「悔しさと羨望を滲ませた声」で晶さんが言う場面が好きです。

 

しかし、その相手だった銀子の方はかなり追い込まれているというか後半の挿絵が満面の笑みの天衣から、姉弟子の背(表情が見えない)なのが演出として完成度高かったですね……



異世界居酒屋のぶ2

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「あはははっ エーファちゃん さすがお姉ちゃん!」

 

のぶに泥棒が忍び込んで。

いざ捕まえてみたら、水を欲する少女で……このまま突き出すのも忍びない、とお手伝いとして雇う事に。懐が深いというか。

衛兵のニコラウスも、事情を汲んでくれて良かったですねぇ。

助祭のエトヴィンさんが中々愉快なキャラで楽しい。

 

異世界に通じてることに順応してるしのぶちゃんが凄い。

文字は読めないけど言葉は通じる。それを「ホント…不思議…」で済ませてる辺り大物だよなぁ。

エーファちゃんが小動物的に微笑ましく思われてるのが、可愛い。よくわかる。

のぶで使われてる包丁やグラスを見て、「お前にはこんなものは造れまい」と言いあいしてる職人たちにも笑った。


異世界魔法は遅れてる!9

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「行くんだ。君の理想を示すために。それがひいては、ぼくたちの正しさを証明することになる。自分の我が儘でしか動いていない神格なんて、全部吹っ飛ばしてきちゃいなさい」

 
2年ぶりの新刊。WEBの方では該当部分アップし終わってましたし、随分刊行まで間空いたなぁ、という印象。正直もうでないかと思ってた……ので、続いてくれたのは素直にうれしいですねー。

プロローグでは、瑞樹に憑依していた中身とアルシュナの会話。

当然のように使命を刷り込むとか書いてあって怖いなぁ。

水明の存在も能力もアルシュナが知り、警戒しているのがどう影響をするのか。

 

話題にあがっていた水明は、初美や異世界の女子たちと帰還。

消えた彼を探し回っていた弟子に叱られてましたが。それもまた少女だったわけで。

連れて帰ってきたのは全員女子だろう、と初美の父親に見抜かれてましたし。その時にぽろっと出てきた水明父のエピソードもまた凄まじいというか。

えーっと、八鍵家の宿命なんですかね、アレ。

 

水明に対する周囲からの評価には笑いますねぇ。

あれだけの事できるのに、中の下とか言ってやがったのか……

まぁ、彼の周囲を見ると彼以上の化け物がボロボロ出てくるので、物差し歪むのも無理はないとも思いますけど。

異世界組は地球の文化を満喫していて楽しそうでしたし、わりと息抜き回だった感じ。

水明の弟子も異世界に向かう事になって、戦力増強できましたしね。

……なんか最後、面倒そうなのに目を付けられて、厄介事も一緒に持って帰る事になりそうですけど。



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ちゃか

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