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「逆に自信があると言われる方が困ります。功を焦るあまり身の丈にあわぬ実力でもって五大災をと意気込む周りの旅団より、よほどいい」
「それはそうかもだけど……」
「己の未熟さを知ることこそ成長の糧。その謙虚さは、レン、あなたの優れた点ですわ。(略)」


かつて世界滅亡の危機を引き起こした「終焉戦争」を終わらせた英勇エルライン。
ただの英雄よりも勇者よりも、偉業を成し遂げたものとして「英勇」と称号を贈られている。
彼はもう失くなっているが、その旅の記録を記した「世界録(アンコール)」という至宝を残したとされている。
しかしそれはいまだに見つかっておらず、至宝を探す者が多くこの世界には存在していた。

主人公はエルライン生き写しの外見をもつ、平凡な学生騎士。
なまじ外見がそっくりなものだから、それを以て「偽物の英勇」としてボロクソに言われ、散々な扱いを受けていますが。それでも折れずにいるあたり心の強いキャラではあるんだなぁ、と思います。

英勇のエルラインですが・・・彼は決して一人の力で戦っていたのではなかった。
竜族の姫、大天使、魔王。そうした強大な力を持っている彼女たちと協力して成し遂げたものだった。
地上には竜、天には神と天使、魔界には魔王と悪魔。
そうした力持つ種族が共に生きる世界なもので、終焉戦争っていうのは相当な惨事だったんじゃないのかなぁ、と思いますが。
人間は弱小ながらも数と知恵をもって生き延び、戦い抜いてきたようですが。
今回、人間側にあまりいいところなかったので、最後の方でちらっと出てきた主要というか重要そうなキャラたちには是非とも頑張ってほしいところ。

主人公が竜姫キリシェと出会い、彼女たちのたびに同行することとなりますが。
その道中で剣の修行をつけてもらったり別の才能を見いだされたりで修行の毎日。
いきなり大物と対峙して戦うことになったり前途多難ですが。
とりあえず言いたいのは・・・また召喚か、と。
いやこの人の世界観好きですけどね。困ったら召喚、みたいなテンプレートになってしまうとそれは残念だと思うので、今後の見せ方には期待ー。

世界の終わりの世界録<アンコール>1 再来の騎士 (MF文庫J)
細音 啓
KADOKAWA/メディアファクトリー
2014-07-24