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「……言葉なんて、ただの道具じゃねーか」
そう。縁にとって、言葉は手段だ。頭の中の物語を伝えるための乗り物だ。それ以上でも以下でもない。
だからゲンミツな意味なんて関係ない。後ろにどんな歴史を持っているかなんて知らない。ただもう相手に伝わりさえすればそれでいい。それの何が悪いのだと思っている。


ラノベ作家を目指す男子、縁。
辞書を愛読し、日本語の美しさにときめく少女、葉留。
二人は寮に同じタイミングで入った新入生。
この二人の交流とかがメインになっている学園ラブコメになる・・・んじゃないですかね?

縁が設定の割に微妙―というか。
帰国子女にする必要あったんだろうか。
海外にいる間日本語に触れる機会が家族を除けばアニメと漫画しかなかった、と言っていますが。
葉留を日本語オタクにするんだったら、いっそ対比として縁の日本語力をもうちょっと衰えさせてもよかったんじゃないのかなぁ、という感じ。
で、変に謎めいた展開を演出しようとしている感じもあって、なんか結局何が書きたいのかがはっきりしない。
謎解きにするのか、恋愛にするのか、青春にするのか、絞った方がよかったんじゃないのだろうか。

イラストは嫌いじゃないですけどねー。
竹岡葉月さんの文章はなんか好みには噛み合わない感じがして何ともいいがたい。
あと、なぜか絵師の名前表記がいつもの竹岡美穂じゃなくて、カタカナになっていたのはなぜなんだろうか。
改名したのかと想ったら、そうでもなさそうですし。

蒼井葉留の正しい日本語 (ファンタジア文庫)
竹岡 葉月
KADOKAWA/富士見書房
2014-05-20