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「前に師匠が言っていた。『人を助ける時は、相応の覚悟が必要ですよ』って」
「言っていたねぇ。でも、そのお師匠さんがキノを助けたわけだけど」
「そう……。だからわかる。今のボクには、あの人を助ける力はない」
「『自分の力を認識し、それ以上のことはしないことも重要ですよ、キノ』」
「今の、結構似てたよ」


久しぶりのキノの旅ー。
相変わらずの雰囲気で中々楽しい。
よくもまぁ、こんなにたくさんの国を考え付くものですよねぇ、といいますか。
同じ調子で18巻も続いているっていうのは中々凄いことだと思いますよ。

扉絵には、牛の国、草原の国。
プロローグ・エピローグは、キノの旅の国。
エピソードは九話収録。
スポーツの国、止まった国、税金の国、主食の国。
チョコレートの話、遺産の国、祝集の国、お金の国、私の戦争。

個人的に気に入ったのは、スポーツの国、税金の国あたりですかね。
スポーツの国は、五か国が密集して争っていた地帯で、戦争をやめてスポーツ大会を行いましょうという風に変化していった地域の話。
この大会で優勝すれば、問題が発声したときに優遇されたりされるから、各国力を入れている。
で、スポーツ大会で大体の問題を片づけられるから、軍隊は廃止されていて。
まぁ、今でも大会で優劣争うあたり、敵愾心というか競争心はおられてなくて。
ちょっかい賭けようとした連中が痛い目を見るというのは中々。

税金の国は、割と皮肉が聞いていてよかったと思います。
制度がしっかり整っていて、必要なサービスを受けたければ、必要な準備をしていろ、という話。
サービスを受ける側が、自分にとって必要がないと思った分の税金を払わなくていい国。
教育なんて必要ないって思えば、教育に関する税金を払わなくてよいと。
浮いたお金で家庭教師や党也好きに穴埋めしてくださいって制度があるそうですよ。
実際に存在したら「助けられる命を助けなかった」と周囲から批評されそうな制度ではありますが。

復讐の国とかも中々いい感じだと思いましたけどね。
師匠の話を聞いたキノが変化したその国の姿を見るっていう感じのエピソード。今回でいうと「お金の国」なんかも好きなんですけど。
要するに、巻数重ねているうちにいくつも旅人のグループがあるので、時間の流れとか旅人のスタンスとかで、相対の仕方が代わるっていうのがいいよなーと思うのですよ。

キノの旅 (18) the Beautiful World (電撃文庫)
時雨沢恵一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-10-10