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「人生を輝かせてくれるのは夢だけではありません。人生を輝かせてくれるのは人です。
 大切な人と過ごした時間が人生を輝かせるのです。(後略)」


作中に登場する質問を公募している辺りは愉快ですね。
しかし、帯と作中に「俺ガイル」の渡航さんからの質問が乗っているのはどういうことだ。
いや、面白いですけどね。なにしてるんですが、っていうツッコミを入れたくなるのはきっと間違っていない。

部長の思いつきで合宿しようぜ、となったわけなんですが。
三者三様の理由で断られてしまう主人公。
それでも部長は、合宿を諦めきれず、主人公にどうにかするように指示をすると。

前半は、質問に答えつつ、それぞれの合宿に行けない理由を解消していくお話。
途中からは、無事に問題を解決し、合宿に着ました、という話。

第二新聞部の相談コーナーが好評だから、と第一新聞部でもパクって同様のコーナーが展開されます。
しかし、この浅野は好きになれる要素が全く見当たらないようなキャラですね。
バトルものだったら、ヒロインを徹底的にいたぶって、調子に乗った末に主人公に痛めつけられるか、逃げ出したところに真の黒幕が現れて「君は少しやりすぎた」とか言って処分されるタイプじゃないかと。
どうして第一新聞部のメンバーはこんなのを部長にしているんだろうか。
金か、金が悪いのか。
女子の体操着を盗んでいる疑惑がかけられている、ナルシストが部長になるためにはいったいいくら必要なんでしょうかね・・・しかも、体操着盗難疑惑は、確実に実行しているし。
学校側とかの対応が必要なレベルの変態と言えるんじゃないだろうか。

最終的には、第一新聞部と第二新聞部の相談メンバーがそれぞれ「いかに適切な答えを返せるか」という勝負に。
ネット配信して、コメントの多さで勝敗を決めるっていうけど、よくこんな配信に人を集めたな。
こんなというとアレだけど、人生相談対決なんて配信を見る人はそんなに多くないと思うんだが。
そして浅野は金の使い方が間違っている。
一日で代理人を(買収して)使えてくるとか、そんなんじゃなくて、勝ちたいなら、サクラを大量に雇って、コメント操作するべきだったんじゃないだろうか。
その場合、ネット配信っていう匿名性が高い状態なんだから、露見させるのも、攻略するのもほぼ不可能状態で、目的を完遂できただろうに。
もし、その手を打たれた場合は・・・都合よく誰かがハッカー能力を発揮して、情報操作するとかそういう展開になったんですかね・・・ラノベ的にはよくありそうな展開ですが。
って、なんで俺はあの嫌味な第一新聞部を勝たせようと意見を出しているのか。
ざまあみろ、の一言で片せばいい話なんですが、少し気になって。
まぁ、この手のコメディタッチの話にこういうツッコミ入れても仕方ないですけどね。

そして主人公は、結構ムッツリっていうか。
DAICHIさんいったい何やっているんですが。あんな派手な工作していたら、管理人さんに気付かれて罰金化されそうな気がしますけど。
その執念は買うけど、そこまで手を入れてい行くんだったらもう少し偽装工作にも手を入れようよ・・・と思わないではない。

前と同じノリで、相談者の3人と主人公が少しずつ仲良くなっていってるのはいい感じ。
ま、それなりに楽しんでます。

人生 第2章 (ガガガ文庫)
川岸 殴魚
小学館
2012-04-18