ico_grade6_3h
「身内が泣いてたら助けるしょ。それ普通だから。『あいつら』が格好悪くたって、俺らまでそれに付き合う義理はねーよ」


小説家になろう連載作品の書籍化。
現在でも、原文は残っていて、全63部。
最新の章は、今月末に書籍化されるそうですよ?

MMORPGに似た異世界に閉じ込められたプレイヤーたちの物語。
スキルやメニュー画面など、ゲームのシステムをおおよそ維持している世界。
この世界は、デスゲームなどではなく、死んだ者もゲーム通り大神殿で復活する。
更には、食事には「全く塩味がしない煎餅を水分でふやけさせたモノ」とでもいうような代物で、普通に料理しようとしても失敗してしまう。

この手のゲームに閉じ込められるものだと高レベル数名が俺TUEEEする話だったり、順序立てて攻略するものとあると思いますけど。
ログ・ホライズンの特徴は、ロングランの作品で、プレイヤーの約半数がレベル上限に達しているっていう点でしょうか。新しい拡張パックによって、レベル上限が100に上昇し、様々なイベントなども追加されるだろう、と期待していたら、この「大災害」なわけですよ。
しかも、シロエの推測に寄れば、この世界には約3万人のプレイヤーが閉じ込められているという事で。
ゲームのような、ゲームと同じようにはいかない世界。
楽しい遊びをしようと思っていたら、わけがわからない状況に陥れられた、っていう感情の落差も混乱に拍車をかけているんじゃないですかねぇ。

実際に戦闘に出れば、ゲームとは違う臨場感や痛みが伴うわけで。
しかも、脱出の目途も、これからの見通しも全く立たない状態。
全く先が見えないから多くの人々が、絶望に囚われるのもむべなるかな。

結構世界を作りこんでいるので、説明が多いので、進展はゆっくりですね。
ただ、全く事件やイベントがないってわけじゃないです。
何もすることがない、という状態が世情の悪化を招き、PKが横行し、主人公たちも襲われたり。
遠方のプレイヤータウンで発生した問題に、介入したりと、色々やってます。
シロエ達は、ただ絶望に囚われて膝を屈したプレイヤーたちとは違い、この異世界を何とか生きようとしている強さがあると思います。

ススキノを目指し旅をする中、ここが異世界で、自分たちが冒険者なのだとシロエが自覚しますけど。
多くの困ったことがあるなかでも、そういう「良いもの」を見つけられるっていうのは、いい話だと思いますけどね。希望の欠片を自分で見出せるという事だから。
キャラやストーリーは結構好きです。世界が創りこまれているというか、人気あるゲームだったっていうのも納得できる世界があって、俺は好きですけど、その辺の情報の出し方で好みわかれるかも。
興味ある方は一回小説家になろうの方で読んでみることをお勧めします。
「異世界のはじまり」とあるように、今回は序章。
この巻も好きですけど、これからのシロエの「腹黒」っぷりが好きですよ。
最近気に入っているシリーズです。

今まさにNHKでアニメ化されていて、2巻の内容までが終わったところですね。
説明が多いので、どうなることかと思っていたんですが、割に良作になっていて気に入っています。
あちこちで画がもうちょっとどうにかならんかなぁ、って思うんですが。作りが丁寧なのは良いかなぁ、と思うんですけど。