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「(略)俺はリターンマッチのつもりだったから、俺一人でやらせてくれって言ったんだ。
そうしたらどうなったと思う? アドラメレクの野郎、一騎打ちを拒否しやがった。
安い誇りに浮かされて戦い負けるなら、貴様ら人間は永遠に我らの支配からは逃れられんってな具合にな。俺は結局最後まで、自力で奴を超えることができなかった」


故人である、元悪魔大元帥で、北方大陸を担当していた、アドラメレクについて触れられていました。
魔王が前回鈴乃に、「王の孤独」と「王の罪」を告解していましたが。
豆腐メンタルな勇者さんと違って、魔王様は、理念高い、王であるんだな、とこのあたりのセリフを読んで改めて思いましたね。
最近は働いていませんが、仕事に対して真剣に向き合っているのも、手を抜けない性分っていうのもあるんじゃないですかね。

魔王が、王として尊敬に値する存在だったからこそ、アドラメレクみたいに、芯の通った人物も配下にいたんでしょう。そして、その行いを本人が罪だと思っていたとしても。その理念が、誇りが、喪われたわけではないですよね。彼が魔界に起こした風は、確かに今も息づいている。
カミーオが残っていたから、っていうのもあるでしょうけど、改革を行ったトップが破れいなくなっても、魔界は、魔王が変えたいと願った退廃した世界に戻っていないんですよね。
人間世界を支配しようと残留組のマレブランケ達が暗躍していた、っていうのはそういうことでしょう。
そして、彼らは、王に対して会いに来たりと、忘れていない。
ちょっと暴走しがちな面があり、今回は天界に付け込まれ、同胞を失うことになっていましたが。

さて、「帰ってきたアルシエル」さんは、本当に参謀だったんですね、あの人。
卵の値段に一喜一憂する主夫じゃなかったのか・・・
まさか「冷奴」と「茗荷」で勇者のメンタルを立て直そうとは。
・・・勇者さんはなんとか笑いをこらえて、それを暗号として用いていましたけど、見ているこっちからすると、シュールで、思わずふきました。
しかしまぁ、統一蒼帝さんはなんか、企んでる感じがしますけど、どうなんですかねぇ。
おとなしくしていればいいのに。

というか、異世界でいろいろとはっちゃけすぎなんじゃないだろうか、魔王。
BO-SO-ZOKUじゃねぇから。何言ってるのかと思ったけど、確かにアレは暴走族
問題はそこじゃなくて・・・いや、そういうことなのか。

エンテ・イスラ編が終わり、現代日本に帰ってきた魔王と勇者。
大家さんがおおっぴらに動き出したことも含めて、之から物語が加速していくんじゃないかと思っております。
ちーちゃんは、一体何を知ったのか。漆原が入院しているのはなぜなのか。
今回現れた最後の敵はいったい何なのか。
気になっているのは、最後の敵は「強大な聖法気」を引き寄せていました。
一方で、大家さんの姿には、魔王たち、「魔力をもった存在」ばかりが、ショックを受けているように思います。
この辺の対比とかの理由も、そのうち明かされますかねー。
これからの展開にも期待します。

今回、面白いは面白勝手ですけど、それは結構シーンごとの面白さだったかなぁ、という感じがします。
準備にあれだけの時間かけていたのに、問題解決はちょっと巻き気味だったかなぁと思うのですよ。
そこだけがちょっと残念かなぁ。
豆腐メンタルな勇者は、現代日本に帰還して、無職勇者になってしまいました。
伏線は回収してほしいですけど、そろそろ魔王様はタイトル通り、働いた方がいいんじゃないだろうか。