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「カズさん、高等部にいこう」
たまきはいう。
「いまからでも高等部に乗り込んで、なにが本当なのか、確かめよう」

異世界に学校の敷地ごと転移して、そこはオークのような魔獣が徘徊していて。
この作品のポイントの一つは、割り切ってる部分でしょうか。
突然異世界に行って、オークと出会って。みんな助かるなんて目は当然ないわけで。
友人が、クラスメイトが亡くなって、生き残っても心に傷を負った人もいて。
なぁなぁで済ませず、犠牲を描いているっていうのは状況に即した描写で、作品の質を浴していると思います。

ま、これだけ密度濃いのに2日目終わってないんだぜ……? とかいろいろツッコミどころもあるんですけどね。
「白い部屋」という謎のシステム。強化されていくスキル。
そして仲間を増やし、責任が増し。効率を重視して行動していったのに、一度は助けた仲間から犠牲者が出て。
これ、無事に帰還することができても、社会復帰できるのだろうかってレベルの傷追ってないだろうか。
現代から見れば、山一つ丸ごと転移した集団神隠しになるんですかね。で、戻ってきたと思ったら半数以上は死に絶えているとか、何の冗談だって話になりますが。

主人公がいじめられていた、という設定からして、当然そのキャラが出てくるだろうとは思っていましたが。
また厄介なタイミングで出てきて引っ掻き回してくれるもんだ。
かなりのトラウマになっていたようですけど、そこをたまきが引っ張ってくれてなんとか踏みとどまった。いや、一度暴走した後だったっていうのもありますけどね。
さて、次回はいじめっことの決着になるんですかね。
全体的に描写が洗練されていない感じがするのは、まぁ、なろう作品だからなぁ……。