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ウィリアムに譲れない願いがあるように、誰にだってそれはあるのだろう。
シロエにだってそれはある。でなければ、シロエは今だってギルド未所属のままであるはずだ。
そしてデミクァスにさえ、それはあるのだ。


6巻の裏側で、シロエが一体何をしていたのか、というお話。
シロエはある目的のためにお金を必要としていて、金策に走る。
その結果として、大規模戦闘へと挑戦することになって。

直継が突っ込んでいましたけど、シロエはどれだけ自分に制限を課せばいいんでしょうかね。
かなりのドMというか。本人は楽をしたいって言っていますけど、手抜きで楽をするっていうのが許せない性分なんでしょうね。

大規模戦闘に協力してくれることになったのは、かつて円卓会議設立の際に、そのくらいを蹴った、シルバーソードのウィリアム。
アキバで気まずい思いしてるんじゃないかなぁ、と思ったら、彼らススキノに拠点を移してたんですね。
円卓会議代表にシロエが選出したぐらい、実績のある戦闘系ギルドが来たことによって、ススキノには治安が生まれたようで。
治安を生むための円卓会議を蹴り、行き着いた先で、治安を生んでいるっていうのは中々の皮肉と言いますか。

シロエとススキノが組み合わされば、避けて通れないのが・・・えーっとデミグラスさんでしたっけ?
P107の挿絵のシロエの目が、すごいどうでもよさようで。
のちのちデミクァス自身が 「面倒臭いな」としか感情の色を浮かべなかったと思っているんですが、それがまさしく、という感じの表情で、絵師さんグッジョブ。

新キャラのてとらも結構いい性格していますよね。
直継との軽快なやりとりも結構楽しかったです。ギルドというか、住処というか、まぁ、それに関する話をしていたあたりは結構気に入っています。
あとは、ウィリアムの叫びを聞いた後に、「勝たせてあげたい」というあたりとか。
単なる新キャラってだけじゃなくて、最後に衝撃的な事実をいくつかぶつけてきて、今後の展開に絡んでくるのかなーみたいな感じが。
気に入ったので、これから活躍していってほしいですねー。

「(略)どんなにアホに見えたって、偽物じみた金ピカだって、俺が、俺たちが、それはすごいって思ったらそれはすごいんだよ。それが選ぶってことじゃねーか。俺は選んでここにいるんだ!」 

大規模戦闘の中で、ウィリアムが叫んだこの言葉。
もっと長くて、もっとみっともない部分があって、だけど、心に届く熱を持った言葉なんですよね。
ウィリアム自身は自分をダメなギルマスだと思ってるようですけど、あの言葉に共感して、それで動かせるっていうのは、十分な資質だと思いますけどね。 

さて、次回は記録の地平線の新人組+セララの新人組のお話になるようで。
しかも、西に向かうとか。この世界で西って言ったら、真っ先にミナミが出てくるんですけど、どうなるんですかね。
今回は巻頭でミナミの状況も結構描写されていましたし、アキバの面々の誰かがそろそろいくことになるのかなーとか、ミナミが盛大に仕掛けてくるのかなーとか思っていたんですが。
どうなりますかねー。

どうなるかといえば、クラスティさんが、なんか異変に巻き込まれてどこぞに行ってしまったんですが、あれどうなるんですか、マジで。
クラスティさんいないと、結構大変でしょう。
そもそもDDDという一番大きな戦闘系ギルドのリーダーで、円卓会議の代表でも会って、現在はゴブリン討伐遠征に参加している。
レイネシア姫との関係もシロエの策では、クラスティがとりなして関係を維持するってものがあったのに、どうするんでしょうかね。
まぁ、レイネシア姫は6巻で「水楓の乙女」たちという友だちができたので、クラスティさんが必ずしもフォローしなくてはいけない、ってわけではなくなってきているわけなんですが。
今後の展開がますます気になる感じですね。
今から楽しみです。

限定版のドラマCDは、まぁ、それなり。
記録の地平線のメンバーが家探しする話と、クラスティとアイザックの話です。
題名からして丸わかりですけどね。
家探しの方のカラシンさんが出てきたあたりが一番面白かったかもしれない。
新しい発見をした場面ですけど。
……カラシンさん、新技術発見に浮かれて、意識飛ばしていたせいで、記録の地平線のリフォーム海洋機構に持っていかれたんだろうか、と思うと……。