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KP:さあ、ここで全員〈アイデア〉をロールしてください。
正宗:コロコロ……馬鹿なのに成功しちゃった。気づきたくない、気づきたくない!
KP:失敗していいロールなどありませんよ(ニッコリ)。


クトゥルフ神話TRPGのリプレイ。
ファミ通文庫から出ていたので、購入してみました。
クトゥルフは何度かプレイしたことあるんですが、リプレイを読むのは初ですねー。
単行本サイズのがいくらか出ているのは知っているんですが、ちょっと積読の山と財布との兼ね合いが付かなくて。
文庫サイズだとリプレイも手を出しやすいので、もうちょっといろいろ出してくれないものでしょうか。
まぁ、市場規模的にあまり手広くやるのも難しいってところなんだとは思うんですけど。

PLに井上堅二、築地俊彦、田口仙年堂の作家三人を招いてのリプレイ。
タイトルにある通り、ある学園のゲーム部の面々の物語。
ネット上で人気のゲーム『飢神』を造った少年たちが属する部活。
しかし、彼らは喧嘩分かれし、そのゲームはおかしな方向へと動き出してしまっていた。
制作者の片割れである悪巧み担当の伊丹薫。
その妹で、兄の尻拭いに奔走して変な技能を身に着けてしまったあいり。
ネトゲで「あいり(実は薫のネカマプレイアカウント)」と知り合い、リアルで会うためにやってきた肉体派ストーカー島津正宗。

見事なまでに個々の目的がバラバラだったといいますか、興味のある方向が違ったからなぁ。
よくこれでまとまって行動できたものだ。超常現象を目の当たりにしたっていうのも影響してますけれど。
プロローグとして、一度予行をやっていたらしく。その体験会のクライマックスの様子が描かれてましたが……
こっちの方をリプレイにした方が盛り上がったんじゃないのかなぁ、いっそ。

いや、本編が嫌いなわけじゃないんですけど、若干の物足りなさがあったかなぁ、と。
ハチャメチャなキャラ設定と、微妙に噛み合ってないPC同士の関係で、よくもまぁちゃんとゴールまでたどり着いたと思いました。
ちゃんと生存しているのもすごいと思いますし←
いや、自分は初めてのプレイで盛大に爆死して、クライマックスに辿り着けなかったんですよね。
比喩・誇張ではなく、リアルに爆発に巻き込まれたんですよ。

けど、なんか満足した、と言い切れない感じ。
かなり読みやすいテイストだったんで、初心者向けとしてはいいんじゃないかと思いましたが。
その分あっさり過ぎたのが、物足りなさの原因ですかね。そこら辺は少し残念でした。