ico_grade6_3
「シスターなんて呼ばれても 私ほんとは 何も許せないし 受け入れることもできないの」
「どうしたら 私だけのになるんだろ」
「私を全部あげるのにな……」

タイトル通り短編集―。
同じ学校を舞台にしているので、あっちこっちで、他の作品に登場しているキャラがいます。こういう構成は割と好き。

不埒なシスター
表題作。去年の夏から夏でも冬服を着て過ごす、シスターと呼ばれるようになった少女宮本澄。いつも女の子と戯れている、ちょっと軽薄な男子沓掛可二。
可二は、偶然触れた澄の「熱」が忘れられず、なんとか触れようとする者の、シスター様には避けられて。
シスターなんて呼ばれても、一人の女の子だった澄が結構可愛い。可二は変態臭いけど。ちょっとフェチ? 

泣き顔のマリア
水分が多い体質らしく、涙がでやすい少女。自分の涙に意味はないといい、色んな男に媚びると噂されている。ついたあだ名はマグダラのマリア。罪の女とは、また。噂が好きな人が多いのねーという感じで。
逆に水分が足りずに、こまめに水分補給をしている男子。興味ないといいつつ、誤解ならば弁解すればいいと、助言してくれるのは、まぁ、良い奴ってことなのかなぁ。

緑のモンスター
緑色の目をした少年と、スポーツ少女。母方の血によって異国の風貌を宿す年下の少年が、因縁つけられているのを目撃した女子が、交流していく話。
年下の少年に勉強教わるのはどうなんだ。
好きなことにためらったり、それでも踏み込んだりと、まぁ、青春している感じ。

日影のシスター
俳優の弟が転校してきて、ミーハーな友人から、その俳優について聞いていた女子生徒とひょんなことから知り合う話。
…どーでもいいけど、友達のミーハー少女は、ポスターとかその手のグッズをよく学校に持ち込んだな。いや、手荷物検査とかそういうのではなく、保管とかそっちの問題で。痛むから動かさないもんじゃないのか、そういうの。布教用?
「不埒なシスター」の妹さんなのでその絡みもちょっと。「日影」とあるように、ちょっとコンプレックスあるようですね。

不実なピアニスト
不破奏、ピアノが自分の恋人だと言ってはばからない変人。
太刀原唱子、完璧を求める声楽部の女子。
太刀原は、完璧を求めるあまり、伴奏が中々決まらずにいて、ちょっと引っかかるものがあって、練習がはかどらずにいた。あと…紹介してもらった伴奏って、もしかしてマグダラのマリアさん? 宮田くんが傍にいたあたりそーかもしれないけど。と気になっていたら柱で答え出てましたね。
変人だけど、不破は、自分が好きなことには結構正直なタイプ。変人ってわりとそういうのが多いかな、と書いていて思った。