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「ボクは、もう十分な栄誉を受けたんだよ」
(略)
「その栄誉は後払いでもらったものだ」
(略)
「だから、ボクはその栄誉にふさわしい人物にならねばならない。順序が逆になってしまったけれど、あなたの見る目は間違えてなかったのだと証明しなければならない」


三田誠が描くFateの世界。
Zeroで描かれた、未熟で必死で、そしてサーヴァントとマスターという関係を変えた、良コンビ。
ライダーと共に戦った、ウェイバーのその後の話。
時計塔の講師になっている、というのはどこかで見たことあったんですが。
割と様になっているというか。

色々な巡り合わせもあって「君主」の一人として、菲才の身ながら末席に名を連ねているようで。
魔術師としては凡庸でも、頭脳の冴えは素晴らしく、第四次聖杯戦争において、キャスターの根城を突き止めたのと同じような空気を感じます。
そこからさらに成長が見られたり、自分の非力を真っ向から認められたり。
ある事情から集まった魔法師たちの中で一番弱くて、決闘したら死ぬのは自分一人だ、とか言っちゃいますからね。
確かに成長しています。けれど同時に、天才たちへの渇望というものもあって。

「君たちは、本当に卑怯だ」
(略)
「ただ天才であるというだけで、あっさり高みへ飛翔していく。私がただ思い描いているだけの空を自由に飛び回る」


剥離城アドラ。ある魔法使いの拠点とした工房。
城内には多くの天使が飾られ、遺言によって魔術師たちが集められる。
提示された謎を解き明かしたものが遺産を得られる、と。
キャラがそれなりに出てきた中で、ちゃんとそれぞれの事情や心情なんかをしっかり描いたうえで、話がするする進んでいくんだから流石というほかない。

まぁ、魔術師が集まって、謎解きやろうとすれば脱落者も出るわけですが。
その人たちもまた魅力的なキャラクターでした。
Fate好きなら読んで損はないんじゃないですかね。
自分がそこまでFateの派生追い切れてるわけでもないんですけど。
もうちょっと頑張って追いかけたいところはあります。
作品は文句抜きで面白かったです。アポクリファは完結しましたが、新たに始まったこちらはまだ巻数でるようなので、今から年末が待ち遠しいですねー。