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「先輩は、アメリカ支部が大好きなんですよね? でも同じくらい亜鐘学園のことが好きなんですよね? だから悩んでる。想いがどっちか片方しかなかったら、こんな苦しい想いはせずにすんだのに、全く持ってシンプルじゃない――」
(略)
「でも、それが人間というものでしょ」


安定して諸葉の俺ツエー作品。
今回は、アメリカで登場した魔神級に対応するために、諸葉が応援に呼ばれて。
背教者の頭はこういう風にいいようにつかわれているのが嫌だったんでしょうか。
以前は組織としての地盤も固まり切ってなかったでしょうし、もっと悲惨だっただろうし。

そして、正体が分からなかった工廠、アメリカのランクSが登場。
かなり変わった性格をしていたというか、芸術家気質といいますか。
開発のためには費用を惜しまないし、新しいインスピレーションを得たら、活動的になる。
人見知りをするため、最初は警戒するものの、身内と認めた相手には甘い。
アレは甘い、というか自由を認めている、というのが正解だとは思いますが。
諸葉も感じていましたが、大分他の支部とは違う、アットホームな雰囲気がありました。
あそこまで敬われないランクSもそういないでしょう。その分、孤独とも疎遠ですが。

「ちなみにこのデルタの発明に、おいくらかかってると思います……?」
「過去のパターンから考えて、十万ドル以下だったらワタシはびっくりするデス」


……トップがこんなんで良いのか、アメリカ支部。
まぁ、軍隊に組み込もうとした国の意向を振り払ったり、決めるべきところは決めてくれる人のようですけど。
認識票の裏側とか、知らないままでいられるなら知らないでいたかったこととか、諸葉が知ってちょっとショック受けてましたが。
あの発明家、本当に自由ですね……
でも、奔放で自由な発明家な変人でしたけど、身内に対しての想いの深さは相当のものがありました。
結構まともな部類に入るランクSですねー。
しかし、初登場時、エドワードを見てランクSはとんでもないな、と思っていたのに、他のランクSが出るたびに彼がまともに見えるのが不思議でならないというか。
よくもまぁ、あの傍若無人なランクSが六人もいて組織成り立ってたな……

諸葉の新しい大技とかもないし、面白かったけど、ちょっと物足りなさもありました。
六翼との戦いに向けた、準備の回みたいな感じですかね。
最期、日本に敵が現れてましたし、諸葉不在の状況でどう話が転がるのか今から楽しみです。