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「僕の夜色名詠も、あれだけ素敵なものを詠べればいいなぁ」
(略)
そう。あんなに輝いて、あんなに透きとおった夜空の色は――黒なんかじゃない。


既存の名詠は五色に区分されていて。
その中に白色も含まれているのに。なぜネイトが使う、母から受け継いだ名詠は「夜色」なのか。
問いかけられ、ネイトが必死に考えて、自分の答えを出す流れが良いですね。
幼くて、未熟で、でも何が大切かはわかっている。
だから頑張れるし、多少の無茶は押し通せる。
たまにちょっと危なっかしくて心配になりますが、目を離せないネイトの軌跡が気になってならない。

前回の騒動があって、クルーエルの体調はすぐれず、あちこちで警戒している中。
灰色名詠の石化生物とは違う、新しい敵が騒動を引き起こして。
空白者。エイダが一度たたかった、「姿の見えない名詠生物」。
ただでさえあわただしい所を引っ掻き回してくれるあたり、面倒なことこの上ないですけど。
シャオという、新しいキャラクターが登場して、灰色名詠の敗者だけでは問題が済まなくなっていくという厄介さ。

エイダの父が組織した「イ短調」の面々がまた個性的で笑える。
マッドサイエンティストっぽいサリナルヴァはこの間来ていましたけど。
今度は別のジルシェと研究者が派遣されてきて。
ジルシェのルーファ老は、学園長とも知り合いなようで。
普段は喧嘩しながらも、いざという時の息の合い方はいい感じですね。
……普段が普段なので、アレは堂なのかと思いますけど。子供のケンカか。

倒れたクルーエルを見て心配しているネイトがかわいい。
本当に彼は純真で、まっすぐで、まぶしいったらない。
そりゃあP319のあたりで、騒いでいたクラスメイトもすごすごと帰るよなぁ……
今回起きた騒動は何とか収拾がつきましたが、クルーエルの抱えた問題が解決していないってのが一番の問題ですよね……







シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは
黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王