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本当に、本当に、憎らしい人。
どうしようもなく愛しくて、だからこそ、どうしようもなく、憎らしい――


発売当時は、1巻がすごくきれいに終わったから、「続き読みたいな、でも出ないだろうな」と諦めていました。
なので出ることが分かった時はうれしかったですね。
進級して、2年になった英太と東雲の二人。
付き合っているということは、周知されていて、そのことでからかわれたりもしているわけですが。
ただ、東雲と付き合っていることで、英太の周囲には変化が出ていて、前回と違いクラスメイト達も前に出てくるようになりましたね。

一方で、東雲はちょっとスランプ気味のようで。
オマケに作家であることが、クラスでもバレて。
演劇部から、脚本の依頼が転がり込んできたりするわけで。
気分転換もかねて、東雲はその依頼を受けるわけなんですが。
二人が相変わらず距離の取り方が下手でもどかしい感じ。
更にどっちも口が上手い方じゃないから、微妙に噛み合ってないというかすれ違ってますし。

それでも要所要所で惚気入ったり、少しづつ進んでる感じが良いですねー。
読んでる最中の展開が、「兄貴と同じじゃね?」とか思ったけど、最後取り戻しに行くところが格好いい。
1巻は二人だけで完結していた世界が、少しずつ広がっていっている。
これはこれで中々いい流れだと思います。1巻で1年が過ぎ去っていくのにはイベントの密度が濃くてもう少し巻数割いても良かったんじゃないかなぁ、とも思いますが。
まぁ、この作者の最新作は順調に巻を重ねていますし、そっちの方に期待するとします。