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GM:「本当は、死んだ人は生き返らないし、瞬間移動も、鉄骨を銃弾で弾き飛ばすこともできない……そのせいで、救えないことがあっても、仕方がないんだ。世界って、本当はそういうものなんだと思う」
紅:……うん。
GM:「でも、今のあたしにはその力があるし、力があるのに使わないっていうのも、無理だからさ。間違った世界で、間違ったまま……それでも、少しでも、正しいと思えることをしていくしかない、って思ってる。」


リプレイ完結刊。
いやぁ、相変わらず面白かった。
秋雨さんが前回の最後、凄い行動に出て、実はラスボスになるんじゃね? みたいな展開でしたけど。
なんとかPCとして参加できてよかったです。
GMと事前に相談して、色々と手を打っていたみたいですしね。

秋雨が助けようとした妹、時雨。
戦闘能力という意味ではなく、心が強い少女だったんだなぁ、と。
秋雨が「裏切り」を働きましたけど、その気持ちが分かる感じで。
兄妹の関係が良かった。
紅が愛も変わらず、突飛な言動を繰り返していましたが、しっかり悩んでいるようだったのはいい感じ。
助けられる可能性に賭けることは悪い事なのか。
そのために全力を注ぐことを、悪と断じていいのか。
ループを繰り返した中では、完全に否定もし切れないといいますか。悩ましいところですね。
 
そして、正直フレーバーな情報出すキャラなのかと思っていた眠木先生についにスポットが当たります。
まさかあぁいう展開に持ってこようとは。
いや、羊坂さんは、なんかしてきそうだなぁ、とは正直思っていましたけど。
紅と一緒で、ループ関連で命を拾った存在、という事になりますしね。
その関与の仕方がちょっと予想ななめ上に言っていたのが驚きではありました。

三馬鹿と称されていたらしい、珠樹、伊武、宇津木。
いや、裏切りの連続で、まとめ役になった珠樹のだめさとかは輝いていたと思いますよ。
あれが本物の前衛バカってやつなんだろうか。
伊武と宇津木も中々いい性格をしていたので、その辺が清涼剤になっていて、シリアスになりがちな雰囲気を緩和してくれていましたね。
しかし、宇津木は、魔眼をデコるとか新しい価値観を持ちこんでくれましたね・・・
キャラクターとしては正しい・・・・・・のだろうか。どうしても面白くなってしまう。
締めるところは締めてくれるいいNPCでしたけどね。

紅が、最後までなんちゃってスパイでしたけど、主人公であったなぁ、と。
懐に入り込んで、なんとなく力を貸してしまうっていうのは転生の素質なんでしょうかね。
そういう紅と親しくなった、アンゼリカのロールも今回は光っていた。
秋雨に協力して、有ることをしようとしますが、最後には覚悟を決めて、行動に移すっていうのは、良いシーンだった。

後は、墓守も今回は素直に格好良かった。
前回の混乱しまくって、パニックになっている状態もまた面白いと言えば面白かったんですけど。
今回は素直にマスターエージェントの風格があると思いましたよ。
ループに入った時に、秋雨と会話しているシーンとか、あれは、秋雨と墓守だからこそのシーンだったよなぁ、という感じで。
もしあそこに出てきたのが紅だったら、全く別の描かれ方になっていたはずですしね。
そして、墓守のプレイヤー田中天氏は、リプレイ終わった後に文庫にして50P相当の墓守とネズミを描いた夢小説を描いたようで・・・・・・なにやってるんですか。
とりあえず公開は予定されているそうなので、それを楽しみに待ちます。