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「自由って言うのはね自分で『これがいい』っていう道を進むことさ」
「『私はこうならなくてはいけない』『こうしなくてはいけない』と思ってしまったらそれはもう自由ではない」
「逆に誰かから与えられて物でも『これがいい』って思えたらそれは自分で選んだ自由ってことだな」

現代に生きる魔女たちの話、第三巻。
相変わらずのオムニバス形式で進行中。
ちらほらとこれまでのキャラクターも描かれていていい感じです。

最初は、幼馴染の少女が魔女ではないかと疑う少年の話。
周囲にはそれを信じてもらえず、相手が気になっているのは恋じゃないかと指摘されて知恵熱だしてましたが。
たった一人の魔女でいたい、という彼女の願いが伝わるのはいつになるのやら。
魔女であることを公にしている人ばかりではないんですなぁ。

魔女部を作った河野さんと増田くんの話もありました。
雰囲気作りで夜中に侵入して、儀式してみたら予想外の結果がでて。
一人は胃を痛めてそうですが、もう片方がポジティブすぎて笑う。

今回収録の中では、2話構成の、「或る魔女と家族」が好きですね。
今巻の表紙になっている三人の話。
コンビニの前で猫を拾って途方に暮れていた女と、そこで働いていた男が出会い。
結婚して、子どもも生まれたけれど、女は死んでしまって。
魔女として生きてこなかった彼女が死に際に発動した魔法で、彼女は幽霊となって夫の傍に現れた。
そして、子どもが成長してなお、彼女は現世にとどまっていた。
何にも触れる事は出来ず、見れるのも会話できるのも夫だけという、不完全な術ではあったけれど。
最後は消えてしまったけれど。あの魔術があったおかげで得られたものもあるはずだから、アレはアレで幸せだったんじゃないでしょうか。

最後は大魔女さまとその弟子の話。
同時に、死んだ人間とそれに縛られることを選んだ使い魔の話。
彼の語った自由についての意見は、中々いいものだと思いました。
誰かに言われたことではあったけれど、彼は自分でそれを選び取ったんだ、と。
……オチの四コマでどこぞの巫女に絡まれていましたが。おい、猫にたかるな……