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「流行作家というのはね、『システム』なんですよ」
彼は言う。ふと彼の言葉の響きが少し変わった気がした。
「大衆の、あるいはその一部集団の魂に希求する『物語』を書く、一個人、一個性という形を偽装した、一種のシステムが『作家』です」


電撃文庫MAGAZINEのVol.43号付録、『七人の時雨沢恵一』読んだので。
タイトル通り「実は時雨沢恵一という作家は七人居て、会議によって作品を作り出しているんだよ」という話です。
強力した作家さんは、木崎ちあき、聴猫芝居、九岡望、甲田学人、時雨沢恵一、夏海公司、成田良悟、和ヶ原聡司の8人。
お祭り企画ということで、かなり好き勝手に「時雨沢恵一」という存在を料理しています。

七人は、面識がない相手もいるし、適当なところで引退して後継に席を譲ることもある。
時雨沢恵一博物館なる建物まで存在して、そこの管理している人の話もあったりしましたね。
適当な箱ものとして作られて、なんだかんだで残っているその博物館。
出落ちなだけかと思ったら意外と最後まで絡んできていて、笑った。

女子高生だけど一員になっている子がいたり、就職先がそこになった新卒学生がいたりと、メンバーも割となんでもあり。
OBOGとして「時雨沢恵一」が正しく運用されているかを見守っている人もいたり、サイバー時雨沢だとか、殺し屋だけど時雨沢恵一とかもう、時雨沢恵一って名詞がゲシュタルト崩壊しそうな感じです。
……一体どんなメンバーが出てくるか読めない中で、甲田学人さんのだけは大体わかってました。
殺し屋要素を盛ってきたのは絶対あなただと思っていました。……口絵で既に監禁してましたしね……
ぶっ飛んでましたが、お祭り企画としては、中々に笑えたと思います。

電撃文庫 MAGAZINE (マガジン) 2015年 05月号
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-04-10