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「針は始点に 針は終点に」
「決まった結果に辿り着く」
「悪足掻きだよ」

巻頭からまた、いい感じに重いのが来たなぁ。
内容としては結構ほんわかする話なんですけど。
ミカの旅の果てしなさを思い知らされたとでも言いますか。
彼女たちが訪れた街ではミカと同じようんな格好をした人が多く出歩く祭りが催されていて。
「境界の魔女に話を聞いた」体裁で綴られる作品を記した作家がいたため、それにあやかっている祭り。
……そしてそれは、創作などではなく、かつてのミカ自身の事だった。

500年は昔に語った話。小さかった街は発展し広大になっていた。
広がった街には、かつてよりも多くの人が住んでにぎわっていた。
ミカも、その作家の話を聞くまで、この街を過去訪れていたことに気付かなかった。
それはつまり、長い年月をかけて、戻ってきてしまったという事。
更には最初に気が付かなかったということは、探し求めている故郷に辿り着いた時それが分からないかもしれない、という事。

魔女としての業の深さを感じますね……けれど、果てのない旅路になるかと思いきや、ルミエールにまた妹が接触してきて、焦りを見せていたりと、進んでいる面もあるようで。
さて、あの妹たちは何を隠しているのやら。

気になるエピソードが最初にあり、後は1話完結のエピソードが3つと、番外編で王女と歌い手の話。
恋した神様と、湯あみ場での交流と、この世界の暖かさを感じる、優しい話でした。
間に、少年が一人で舞い上がっていたという籠の鳥の話が挟まるあたりは、厳しい仕様だよなぁ。
割とあっさりゲストが死んだり、痛い目みたりする話があるのでこの作品は油断できません。
番外編での二人は、意外と相性いいんだなぁと、想いました。
8巻の予告でクライマックスと謳っていたので、完結までわずかみたいですが、このまま応援していきたいところ。

魔女の心臓(7) (ガンガンコミックスONLINE)
matoba
スクウェア・エニックス
2015-08-22