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「諦めたってこと?」

「諦めてねぇよ。ただ、俺だけが先に進もうとしてもしょうがねえんだ。長いこと停滞した空気は淀む。淀んだ中で先に進めるのは一部の奴だけだ。俺はこれをどうにかする手段を探してる。淀んだ空気を吹き飛ばす風を求めてる。……だからよ、年寄りの戯言と思って大人しく後進の教育に付き合えや、ルーキー」

 

小説家になろうの書籍化作品。

良くいくサイトさんが結構高評価していたので、まずWEBを試しで読んで、気に入ったので書籍まで手を出してしまいました……

 

異世界転生でダンジョン攻略をするという、「なろう作品」的な要素盛りだくさんなわけですが。

そのあたりをうまい事使っている気がしましたね。

転生者が珍しくない世界。半端な知識でチートできるほど優しくはなく。

登場するキャラは濃い奴ばかりですけど、それに引けを取らず主人公たちも異質な部分があったりするんですけどね。

 

ゲームシステム的なサポートのある迷宮都市は、ダンジョン内で死ぬことはないが「何度も死ぬのが当たり前の難易度」で。

主人公たちは転生者で前世の記憶を持っていて。

日本の香りを感じたり、それぞれが抱えている問題の解決方法を求めて迷宮都市に足を運びます。

 

スキルの習得速度が速いなど、若干補正は入っているようですけど、別に無双出来るほどの強さではないし。

1巻は、迷宮都市に二人がたどり着き、トライアルダンジョンに挑んで、攻略が4層まで到達したところで終了。

一話ごとが長いので、やはり1冊ではまとまらなかったですね。まぁ、下手に削るよりはマシマシで描いていってくれ方がこちらとしてもうれしいんですけど。

ただやっぱり1章の盛り上がりという意味では、5層のボス攻略とその後こそ光るので、連続刊行と言わず、同時刊行できるように調整したほうが良かったような気もするんですが。

その無限の先へ (1) (MFブックス)
二ツ樹五輪
KADOKAWA/メディアファクトリー
2015-10-23