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忘却の力に抗うただ一つの方法――全てを疑え。
抗うな。ただ疑え。疑問を抱き続けろ。己に問い続け、全ての意味が歪められても――
絶対に変わらないものを見つけ出せ。それがない人間などこの世に存在しない。もしそれが無いのならばお前は香りに操られる前から狂っていることになる。
(略)
あらゆることを平然と疑え。お前の中にあるものは絶対にその程度で崩れはしない。


レオニスが差し向けてくる刺客。
ジークがかつて連れた4人の従者、その関係者。
それぞれが復讐の思いを強く抱いており、一癖も二癖もある面々が集まっています。
今回は、香りを用い、記憶を操る。忘却の力を持った女が復讐にやってきます。

ジークはジークで安定していますけど。
それを見ているノヴィアも少しずつ強くなっていってますね。
自分の力だけがいるのか、とか不安になっている部分もあったようですが。
二人の絆がいいですねー。

忘却の力を使ってくるという敵なだけあって、その二人を分断させたり、いろいろ工作してくるわけですが。 
精神的に追い込まれていく展開ってのはなかなか読んでいて鬱屈とするといいますか。
それだけに、打ち破った後の流れが気持ちよくなるんですけどね。
かなり追い込まれている部分があっただけに、トールとアリスハートのやり取りにはなんとなく和みました。

そして、過去の従者。
敵と同じく忘却の力を操った、ティアという娘。
ジークが、不器用ながらにもしっかりと向き合っているんですよね。
そりゃそうだ。自分で斬った従者の一人だって、しっかりと理由があって。
一度ノヴィアを置いて行こうとしたけど、それもジークなりに考えてたことがあるわけで。
いつか剣を捨てるために。
悲しみを捨てずに歩むジークの叫びに感化されて、ティアは自分の道を行くわけですが……
その結末が、悲しいよなぁ。
ジークの従者は4人すべて死んだって言ってましたから、わかっていたことではあるんですが。

さて、一方でレオニスの方でもイベントがありましたが。
彼は彼でいったいどうするのか。
トールも立場危うくなってきているというか、刺客連中は本当に一筋縄ではいきませんね。