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「それこそ、気にしても仕方がない。みんな一生懸命生きていくだけ」

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大切なのは世界がどうであるかより、そこに住んでいる人間の方である、と。

 

老衰以外で人類が死ななくなった世界。

ウルティマラティオというシステムの恩恵が全人類に行き届き、それゆえに「死んでも蘇る」。「制限はあるが魔法が使える」などの恵みを人類に与えた。

最もそれは、人類に繁栄を約束するものではなく。

なんせ世界にはモンスターが跋扈し、「蘇る恩恵を無効化する死を与える怪物」なんか出てくるわけですし。

 

主人公のエイジはそんな世界において、ウルティマラティオの恩恵を得られなかったアウトサイダー。

別の発明品と出会ったことで、そんな世界でも生きていけるほどの力を得てはいますが。

それ以外にも、ウルティマラティオの恩恵を受けていないことで利点が一つ

世界が造りかえられる前の旧時代の遺物を扱えること。

 

まぁありていに言えば現代の電化製品とかその辺なんですが。恩恵を受けている人々はそうした機械との相性が悪くなるため、エイジ以外には扱えず直せない遺物になってるんですよね。

それらを修理したりして博物館の展示に生かしたりする仕事もしていて、恩恵は受けてないものの、なんだかんだ世界に適合して上手い事生きている感じはします。

 

「死んでも生き返れない」から「敵対したときには死ぬ前に殺す」。

という思考で、作成する武器は攻撃力偏重の傾向がありますが。

……偏重というか攻撃力に全振りしてて、かつて当時の最高戦力が三日かけて二人の犠牲を出したうえで倒した怪物を一撃で再起不能にするんだから、やりすぎにもほどがある。

主人公の戦闘能力が高いし、その方針もぶれてないので、スラスラ読める作品でした。