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――人は愚かだ。
愚か故に、その愚かさに殺されまいと、知性を、知恵を磨く。
今日まで生き残った――生きる価値なき世界でそれでも生き残った。
そのために知性と知恵と技術の全てを賭した者たちが。
――誇り高き愚者、尊敬すべき弱者でなければ何だというのか。


唯一神テトは……行き倒れていた。
おいおい何やってんの神様、って思いましたが元・遊戯の神としては、挑んでくる相手がいないでただ待ちづつけているのも暇で仕方ないようで。
能力に枷をつけて、他の種族を装って、ふらふらとゲームして過ごすのが日常になっているとかなんとか。
で、今回は人類種になってふらふらと空と白のところに『来ちゃった』とかやる予定だったそうです。
きまぐれに数日寝食なしにあるいたら、そりゃあ人類は倒れるでしょう。
行き倒れていたところを発見したのは、いづなで、食事を得た彼は、いづなとゲームをしながら昔話を始める。
そう、かつてあった大戦の折にあった「語られない神話」を。

つまり、だいだいジブリールのせい。
テトが語る幽霊たちの物語。星を割る大戦において、人類がいかにして生き残ったのか。
あれだけの凄惨な世界で、希望などない世界で、それでもあきらめず、ただ一つの勝利を求めた人類の話。
既存のキャラがほとんど出てこないうえ、1巻で大戦を描くという事で駆け足な部分もないとは言いませんが。
それでも引き込まれる、圧倒的な迫力がありました。
リクとシュヴィの二人の関係が心地よかった。
それだけに最後の泥仕合は辛かったけど、それでも成し遂げたリクは強かった。

リクにひきつった笑顔を返したテト。
遊戯の神として、遊びほうけているようにも見えるけど、テトなりの悩みとかもあるのかなぁ、とか思いましたがね。
次回は、ついに序列第一位、神霊種に挑みます。
大戦で描かれていた、神霊種、天翼種を作ったアルトシュの力は圧倒的にすぎましたが。
それに喧嘩を吹っ掛けた『  』の二人組はいったいどうやって勝つつもりなのか。
今から楽しみでなりませんが、この作者さんに関してはくれぐれも体を壊さないで下さいと一緒に言いたい気持ちです。