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「死にたいの?」

「もう終わりにしたいとは思うわ。でも……」

「でも?」

「死は、当然来る結末よ。問題はどんな死に方をするかなのよ」

 

古びた質屋を営む主人、凍雨。

彼は人と妖の間に生まれた子で、一風変わった能力を持っていて。

高ぶった感情を取り除き結晶化することが出来る。強すぎる感情は時に本人すら傷つけるから、中々便利そうな能力ではあります。

 

それを利用して質屋なんかをやっているわけですが。

想いが染みついた品。時間を積み重ねた品。そうしたものを扱っていると、妖関連の面倒事に関わることに。

凍雨と、その父親。さらには凍雨に「商品」を預けていて、それの預け賃として調べものだとかに協力している黄龍の三人がメインのキャラ。

それに各エピソードごとにゲストが登場して、悩み相談されたりなんだり……という流れですね。

 

2話収録されていて、モチーフになっているのは「人魚姫」と「浦島太郎」。

人間に恋し、自らも愛されたいと願った人魚の悲恋の話。

竜宮城に住まう乙姫。彼女が竜宮城の主として君臨した果てに辿り着いた終わりの話。

モチーフはどちらもわかりやすく描かれてましたねぇ。

凍雨が人と妖のハーフという事もあり、独自の基準で動いているあたりとかは、分かりやすく「人でなし」な感じがして気に入りました。これに振り回される黄龍は大変だ……

今回収録の話だと、浦島太郎の方が好きですかねぇ。なんだかんだ乙姫様が嫌いになれない。