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「話しづらいことだとは思うけど下手くそでもちゃんと自分の言葉でいうからこそ伝わるもんってあるんじゃねーの」
「だから 長谷はお前のことまっすぐに信じられたんだろ」


1週間で「友達」の記憶を失ってしまう少女、藤宮香織。
家族のことは覚えていたり、勉強で不自由していなかったりと、随分と歪になってしまっているなぁ、と思いましたが。

設定と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、かなりつらいよなぁ。
しかも条件は「親しく感じている友人」の記憶だっていうんだから、なおさら。
友達のふりをしてもその記憶は消えない。
でも、親しい友人の記憶が消えて、ふりで続けている友人未満の記憶が残るっていうのは大変でしょう。
どうして大切な方からこぼれてしまうのか、というところで。
だからこそ彼女は、大切な誰かを作らないように、一人でいる道を選んだ。
そんな彼女に話しかけ、友達になろうと努力する少年、長谷祐樹との交流の話。

記憶を失っている、だから「友人」と一緒に過ごした時間があるのだろう。
そういう論法で納得できてしまう程度には、藤宮も状況を受け入れているんだよなぁ。
まぁ、友達のふりをしてみた結果を覚えていたりとか、孤独であることを選んだ以上一人でできることはやったからこそ、なのかなーと思います。

長谷の友人である、将吾もいいやつだなぁ。
藤宮のことで悩んでいたりする長谷のことを気付いて、心配してますし。
相談してくるまではほっとこ、とか思っていますが、相談してきたら協力してますし。
最後がなんか不穏な感じしますけど、いい関係築けていると思うので、このまま進んでいってもらいたいものですが。

一週間フレンズ。(1) (ガンガンコミックスJOKER)
葉月 抹茶
スクウェア・エニックス
2012-06-22