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「金はかかんないけど…すごく大それたものがほしい」

「一緒に生きていきたい」

(略)

「…書類一枚で済むなんて 安いプレゼントだね!」

 

イツキを拾って……幸せな時間を過ごしていた。

けれど、彼は何も言わずに去ってしまって。

あっちこっちに彼との思い出があり。

野草採集なんかして、思い出が途切れないようにしていますが。

 

イツキは郵送で鍵を返してきて。

「さよなら」すら言えない手紙。「待たなくていい」という彼の気持ち。

一年足らずで深く根を張っていたので、そういわれても忘れられずに待ち続けていて。

待ちたいだけ待とうと、決めて。

かつてイツキを拾ったようなある日。彼は戻ってきた。

 

そうして彼自身の事情が語られていくわけですが。

まぁ、彼も彼で色々背負っていたというか、期待を押し付けられていて大変だったそうで。

放浪の果て辿り着いた場所。そこにいるためには、逃げてばかりでもいられない、と清算をしに行って。

……最終的に落ち着くところに落ち着いた感じですし、良かったんじゃないでしょうか。