ico_grade6_3

「……そんなのは、そんなのは決して叶うわけがない。不可能だ。絶対に……」

()

「レフィール。それは君が決めることじゃない。誰を救えるか救えないかは、いままで進んできたこの夢路の果てに、俺が必ず見付けるものだ」

 

1巻で主人公のキャラを掴みかねて、敬遠していたシリーズなんですが。

書評サイトで新刊評価してるところがあって、ちょっと興味を惹かれたので改めて手を出してみました。

自分のルールを持っていて、それのためなら身体を張る覚悟がある。

いや、見誤ってた。1巻だとどうにも甘い部分が見えましたが。今回は戦うものとしての気概を示した。

 

闘っている時の彼は割と嫌いじゃないですな。

……最も、普段の行動はまた周囲に敵を作るタイプに見えますが。

こちら側の魔術が、水明のいた世界よりも遅れているのは確かで。だからこそ、大抵のことは何とかできるのも事実ですが……

「それは出来て当然。できないのは三流」とか敢えて口にしなくてもよかろうに。

 

転生モノにありがちな冒険者ギルド。

そこに登録して、とりあえずこちら側の世界での身分証を手に入れようとした水明。

一般的な町民の格好に偽装したせいで、荒事担当の冒険者ギルドに加盟しようとしたときにいらぬトラブル起こしたりはしてましたが。

 

そしてその行動を察した貴族に裏で利用されて……勇者となった友人たちが心配する一幕もありました。国王は良い人でしたが、部下まですべて善人とは限りませんからな。

権力がある以上権謀術数も切り離せないものでしょう。

……わざわざ呼び寄せた勇者の友人を囮とするのが、リスク・リターンのつり合い取れてるのかと言うと微妙なところだと思いますがね。

 

しかしまぁ、中の下という水明の評価が正しいのなら、一番上の方なんてどれだけの力量の存在がいるというんだ。

彼、この世界において多大な被害を出した魔族の将軍を打ち取り、その配下の軍隊を食い破りましたよ?

これで以前「数には負ける」と叫んだんだから皮肉と言うか、なんというか。

魔族と出会い謎は深まったりもしてましたが……水明の切り札の一つが効果的だと判明したのは今後の糧になるんではないでしょうか。