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人の価値観は常にうつろう。絶対的な救いなどこの世にはない。救いを望まぬものに救いを強いれば、それはもう救いではない。それを強行すれば、楽土は楽土でなくなってしまう。
楽土は人の意志を曲げてはいけない。
楽土は万能であってはいけないのだ。


北の大地の果てにある。霊峰にある、楽土。
それは、傷つき疲れた人々の為に神が提供した、神々の庭。
『和を以て貴しと為す。忤(さから)うことなきを宗と為す』。
そのただ一つの掟を守れば、楽土の門をくぐれるという。
楽土に争いはない。もし、何かもめごとが起きる様だったら、『音導士』によって調停される。

漢字を用いた、『なんちゃって和風世界』。
たとえばガガというキャラは、『我』は『雅』とかいて『我雅』と読む。
だが、名前にどういう音を当てるのかは、あまり明かすものではなかった。
この辺は言霊信仰みたいなものですかね。
真の名前を知られると、魂を握られるのと同然みたいな事が書かれていました。
争いがない、といわれる場所だからこそ、こういった文化ができたのかなぁ。

まぁ、争いが全く持ってないというならば、『音導士』なんていらないわけで。
たとえば土地の活用方法。たとえば、村の発展について。
そういったことで意見の違いがあった場合、『音導士』が代理で、答弁をすると。
名前の設定と、音導士の設定とが噛み合って、言葉を大事にしている世界かなぁ、と感じました。

楽土は山にあるだけあって、上に行くほど幽世が近い。
まぁ、掟を守れている人ほど上に登れるという事で。
山の一番上にある人里ナナノ里、そこから下ったロクノ里では争いはほとんどないとか。
逆に境界となっている鳥居道の下、イチノ里からゴノ里はには、掟に従わない者もいて、暴力沙汰も起こる。
ただの楽土と「真の楽土」と区別されていましたが、このあたりも今後影響してくる要素ですかね。

主人公は伝説に謳われた『音導士』イーオン、ですかね。
表紙のキャラクターですが、青年かと思いきや、30過ぎの女性だとか。
楽土にいるけれど、楽土を好まない彼女の過去に何があったのかは少し気になります。
問題解決のための音討議など、魅力的な要素が多い作品。