「(前略)私、ゼンジロウ陛下に惚れ直しました」
結婚式へ向かう道中。
フレア姫は、護衛付とはいえ竜種の狩りに参加して。
戦士として最低限の実力は持っているようです。
最も、彼女の国では最低でも「百騎長」クラス……それこそ「女だが並の男よりも腕が立つ才人」でなければ「戦士」となることは出来ないそうで。
だからこそ、自ら獲った獲物をふるまう食事会を開催したときの彼女は、本来できなかったことをした、ととても楽しそうでしたが。
……状況的に仕方ないとはいえ、立場に押されてどんどんゼンジロウの逃げ場なくなってきてますなぁ。
辺境伯の下で行われる式ですが……事前にアウラから聞かされていなかった「辺境伯家の次女」なる存在が出てきて。
オマケに隣国と領地を接している事、名の知れた武人であるプジョル将軍が式の主役であることから、他国の将軍まで臨席することとなり。
騒ぎの種が向こうからどんどんやってきて。大事になる可能性が高く、アウラも即座には動けない状況。
そこでさらに、その他国の相手を巻き込んだ騒動が起きて。
通常だったらそこまで大事にならなかった事が、上手くかみ合わずに転がって行ってしまって。
事情を把握していたゼンジロウが、何とか収拾つけてましたが、王配ともなると本当あちこちに気を使いますな……お見事。
それによってフレア姫からの評価がさらに上がって、もう逃げ場なくなってましたが……まぁ自らの行いの結末なので粛々と受け入れればいいんじゃないかな……