「もう観念するのじゃ、ジョン。ここまでお主はうまくやった。これからは、誰も歩いたことが無い道を共に行こう。その先にこそ、人類の生きる道がある。わしは、そう思うのじゃ」
前回、ジョンの記憶よりも早く、魔族による王都襲撃事件が発生しましたが。
これまでに彼が打っていた手のお蔭で、なんとかジョンの記憶にある時よりは被害を抑えることに成功していました。
魔族連中に反撃もできましたし、上々の成果ではあるでしょう。最も、警戒を強める結果になって今後がさらに大変になるって可能性もあるわけですが。
事情を知っているナコルルも、もっと積極的に動くべきだと提案。
ジョンはこれまで情報を伝える人を限定し、自分が動くのではなくナコルル達のような相手に動いてもらい、状況をコントロールしようとしていました。
下手に手を出しすぎて、ジョンの知る未来から外れてしまえば、以前と同じように誰が死ぬかもわからない闇の中を進むことになる。
それを恐れていたわけですが……まぁ、ここでナコルルが説得して、共に先に進もうと焚き付けてくれたのは良かったですねー。
ジョン一人で出来る事には限りがありますし、こうやってフォローしてくれる相手が居るならば、まだまだ大丈夫そうです。
ナコルルの研究に協力した、という功績をとっかかりに、ジョンはしっかりした地位を獲得し、人類の未来をより良い方向へ運ぶため、準備を進めていきます。
魔族対策のための軍団を新たに設立することとなり、ケルケイロがその大将に据えられ、ジョンは副官となることになりました。
ナコルルの研究を手伝ったという事になっているので、新しい発想を期待されての抜擢で、ちゃんと軍団を指揮できる副官もつけられてはいましたが。
そうやってジョンは魔族対策部隊の副官として準備を進めていましたが……
魔族側も一枚岩じゃなさそうといいますか。コールドスリープの技術を持っていたりと彼らは彼らでチートだなぁ。
目覚めたばかりで記憶が戻っていない少女が一人、フラフラと人の世に出てジョンと出会って、部下に加わったりしてますが……
メタ読みすると、あの子かなり高位の……というか下手すれば魔王そのものなのでは……
未覚醒の勇者まで拾ってきてますし、ジョンも気苦労が絶えないな……
しかし今回は伏線をまく回で、余り大きなイベントがありませんでした。
次回以降でどうジョンがどう動くかが気になるところです。爆弾抱えてますしね。