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「……不思議じゃのう。貴様がまともなことを言えば言うほど、狂って見える」

 

完結巻らしいですよー。

WEBではここからも何章かエピソード重ねていますが……

元々担当さんとも「十一章までで終わらせよう」と、結びが綺麗な所で切ることで何となく合意してたとかなんとか。

アレクが目標にしていた「輝き」を捕まえ、彼女の事情を聴き、彼女が抱えていた問題を解決して、宿に戻ってきた。

確かにここで終わっていてもおかしくないくらい、まとまってるんですよねー。

WEB版のアレは後日談みたいなものだと思っております。

 

九章「アレクサンダーのいない日常」、十章「カグヤの語る英雄譚」、十一章「『月光』の英雄殺し」を収録。

アレクサンダーのいない日常は、タイトル通りアレクがいない「銀の狐亭」のエピソード。

アレクに勝てないと言わしめる実力者でもあるヨミが病気で倒れるというハプニングに、全員がまず「嘘だ」と思うあたり、訓練が行き届いてますな……

「嘘はつかないやつだ。(略)疑ったりしねーからな」「ヨミさんが風邪で倒れている」「は? 嘘だあ」という会話の流れは、お互い真面目だと分かって入るけれど、コントのようで笑えました。

 

その後、それぞれの事情があって、去って行った人々も「銀の狐亭」にやってきて。賑やかな一日を過ごしておりました。

いやぁ、楽しそうで何より。……途中、アレクの訓練で鍛えられすぎて、常識が揺らいでる人々が居ましたが。まぁ、うん、頑張れ……

 

そして、アレクは捕えた「輝き」から話を聞いて。

過去に会った事。そしてカグヤが、輝きが目的としていた事。

「あんたの目標を、俺は解決しない。あんたの目標なら、あんたが解決するべきだ」と輝きを焚き付けて、修行を開始する事に。

……輝きが修行内容の説明を聞き、他者の意見が足りないと改善策というか改悪策を授け……

ヨミが頭を抱え、ロレッタが顔を青ざめさせる恐怖の修行が完成しておりました。

 

確かに効率的では、あるでしょうね。受ける側の精神へのダメージは更に過酷なものへ進化しておりましたが。

一番最初にその過酷になった修行を受けることになったのが、提案した本人ですから、多分罰は下ったと思われます。えぇ。この後修行を受ける方々については……合掌。

最後の英雄の終着点も中々いい味出してて、楽しく読めました。