「じゃあ、始めよう。ぼくが思うに……、これは推理の連鎖で片がつく」
恋愛関係でも、依存関係でもなく互恵関係を維持している小鳩君と小佐内さん。
高校一年生になり、これまでの自分達を隠そうと「小市民たれ」という目標を掲げている二人。
小鳩君の方は、頭の巡りが良く、探偵役よろしく謎を解くことが出来るけれど……「知恵働きはやめた」と宣って。
けれど、三つ子の魂百までと言いますし、それっぽい状況があればつい謎を解いてしまう
基本的には、日常の謎系のミステリーですねー。
無くなったポーチを探したり、美術部の卒業した先輩が残した絵の謎を解いたり。
日々の平穏を求めているはずなのに……二人は、どうしても、自分を抑えることが出来ずに行動に移してしまう事が多々あって。
推理を好む小鳩と、復讐を好む小佐内。
日常を過ごす分には、この二人の結んだ互恵関係は、割れ鍋に綴じ蓋って感じで上手くかみ合ってましたが。
あくまで小市民たらんとする共通の目的を掲げた二人の、利用しあう関係であって。相手を束縛するものではない。
だから、相手が下りるなら止めない、というドライな面も。お互いに判り合っている二人の会話が、好みなんですよねぇ。
短所を直そうと口にはしていましたが……筋金入りだから、曲げるのも一苦労だと思いますがねぇ。