「私は先生を信じています。たとえ、どんな結果になろうと……私は先生を信じていますから……そのことに後悔なんてきっとありませんから……だから……」
(略)
「……どうか、私の『異能』を、お使いください、先生……」
行方をくらませていたジャティスが、またしても現れて。
ルミアを誘拐し、グレンをフェジテ市庁舎爆破テロの容疑者に祭り上げ、目的遂行の為に好き勝手動き回っています。
同調するかのように、天の智慧研究会も現れたり、宮廷魔導士団の方でも色々と思う所があるようで、イヴがフェジテに来訪したりとかなり混沌とした状況になっておりました。
グレンは事件解決の為にまた走り回ることに。
システィーナの助力を得ながら、ルミアをさらったジャティスからの要求に振り回されていましたが……
そんな中で、かつて倒したはずの敵から襲撃を受ける、という事態まで発生して。
あちこちで状況が動き続けていて、一場面ごとの描写は少なくなっているはずなのに、かなりの熱量がありました。
宮廷魔導士団の『愚者』であったグレンには、オリジナルの魔術以外にも切り札がまだあったようだ、なんて情報が出て来たりしてました。
手札少ない状況で、辛勝が多かったとはいえ、これまでの騒動で勝利収めてきたのか……ここぞという時の勝負強さはあるんですねぇ。
一方で、立ち位置が定まらず、今回良い所なしだった某「彼女」。
まぁ……うん。あとがきでも触れられていましたが、ある種の愛だよ……
揺れまくっている精神面が安定すれば、もっと頼りになるキャラになれると思うんですが。今後に期待……出来るのかなぁ。
グレンの奔走もあり、目先の問題は片付けられましたが……本命は、これからだっていう状況。
かなり風呂敷を広げた感じがありますが、これがどう畳まれていくのか。10巻が楽しみです。