「見せてみろっていったよな冥帝。だから見せてやる」
「何をだ? 人間の強さか。可能性か。未来か」
「――真髄を」
悪魔や天使といった異種族と、人類。
5つの種族が地上の覇権を争い……一人の英雄の活躍によって、人類が勝利した時代。
四種族を封印する事に成功したが……もし、封印が解かれたら。それによって大戦が再発したら
そうした有事の際に備えるために「人類庇護庁」が戦後設立された。
国民に兵役を貸し、その中で四種族に対抗するための知識等を伝えていく組織なんですが。
長い時間が流れ、封印がほころぶ様子もない、という事で庇護庁の兵役もほぼ形だけのものになってきて。
そんな中カイは、平和な世で悪魔を見たことがあって。故に、兵役にも真面目に取り組んでいたが……
ある日、世界が「人類に英雄が立たず、大戦で敗北した」状態に上書きされる異常事態が発生して。
友人たちも、ほぼカイの記憶通りの性格や癖などを有している物の、「勝利した未来」の記憶と……カイの事だけを忘れていて。
ただ一人、違う未来の知識を持ったカイは混乱の中……特殊な事情があるらしいリンネという少女を保護して。
彼女は、かつて人類を勝利に導いた英雄――シドの名前を憶えていて。
二人で改変前の世界に戻るための手法を探る事に。
そうやってちょっと前向きになったところで、避難場所に悪魔たちが襲撃してきて。
カイはこれまでの経験と知識で、その撃退に寄与。
人類反旗軍の上層部と対面する事に。
嘘のように聞こえる本当の話、を嘘か真実かという点ではなく「その話でもたらされた情報が有用かどうか」で判断できるあたり、有能ですねー。
敵にアジトが知られてしまった事、カイから情報を得られた事など理由はいくつかありますが、反攻に転じることに。
割と綱渡りではありましたが……意地を貫き通したカイに軍配が上がって。
「書き換えられた世界」について、気になる情報も出てきましたし、序章も良い所ですから続きに期待。