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「お前等、俺になにか恨みでもあんの……?」

「まさか! そんなはずないじゃないですか?」

 

人間やエルフ、ドワーフのように秩序の女神に仕える調和勢。

魔王が率いる魔族、リザードマンやゴーストといった異形の者が集まる混沌勢。

ふたつの勢力が争いを続けている世界において、勇者という調和勢の希望の星を何度も撃退している混沌勢の四天王が一角、紅蓮の騎士、カズキ。

 

彼は魔王の信頼熱い四天王筆頭でありながら――本来調和勢に属する、人間で。

魔王に恩義があり、息子のように育てられたからこそ、その職務を全うしている。

カズキが使える魔王には娘が居て、高い魔力を備えるものの……人見知りが激しくて。混沌勢の異形達は見た目にインパクトもあるのがいけない。

それを改善させようと、敢えて敵地、調和勢の村に潜り込み社交性を磨こうという方向になっていましたが……

 

敵地に娘を一人では送り出せない。

故に、人間であるカズキを傍に置き護衛とする。……万一娘と間違いを起こしたら、息子のようにかわいがっていても容赦はしない、という言葉を添えていましたが。

親バカめ……そんなだから娘の人見知りレベルがどんどん上がっていったのでは……

オマケに潜伏時の設定が兄妹とかではなく、夫婦って時点で、色々とダメでしょう。

 

勇者の過去、女神の揺籠という遺跡で起きた事。あと、魔王様が何か考えている事。

その辺り踏まえて考えると、魔王様の失った友って言うのが先代勇者だというのが、一番おさまりがよさそうですけどねー。

しかし、それぞれの勢力の下で発達した技術や抱えている知識の違いを考えると、2勢力が争うのではなく手を取れば、この世界かなり平和になりそうですけど。

さて、どうなるやら。