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「世界でただ一人、嘘をついてはいけない相手はだれだと思う?」

昭子はしばし考えた。

「自分か」

「それでもみんな嘘をつくけどね」

 

友人からの借り物。

帯にもありますし、巻末の謝辞・解説にも名前が出ている『高い城の男』を知っていると、おそらくはもっと楽しめたのではないか。

普段SFを読まないので、新鮮ではありました。

しかしまぁ、どうにもビターな感じですなー。好みからは少し外れる。

 

どうにもこうにも、あちこちが不器用に過ぎると言いますか。

もう少し言葉を尽くせば、行動を惜しまなければあるいは変わった部分があったかもしれない。

六浦賀と妻が、或いは父と娘が。

紅功が口を閉ざしていなければ。

そんなIFを考えたりもしてしまいますが。けど行き着く先はあまり変わらなかった気もしますねぇ。

 

この世界はあちこち歪んでしまっているような感じで、修正するにも大分行き着くと衣まで行ってるような。

多分その内GW団ないし他の組織のテロ活動によって、致命的な打撃をこうむるのではないかと思ってしまいますが。

自浄作用とか弱そう……でもそんな世界でも彼ら、彼女らにとっては今生きるただ一つの世界なわけで。

好き勝手やっているように見えた紅功に覚悟があったように、揺るがぬ忠誠を捧げていた槻野が揺れた場面があったように、ギャップの演出は割と好みでしたが。