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「さらばだ、旅の仲間よ。ひとときの戦友にして、不倶戴天の宿敵であるはずの男とその供たちよ。願わくば、何処かで再会したときにも、友のままでいたいものよな!」

 

1巻の最後で、絶対あの人だ……とは思っていましたが。

案の定、ヴォパン侯爵が登場。いやもう、相変わらず好き勝手やってるな、この御仁。

しばらく死んでいた、ってのは多分魔王内戦時の時の事だと思いますが。肉体が滅び、魂が消滅寸前に行ってなお滅びず。

どうにか踏みとどまって、力を蓄え、転生したと。一部の権能を失ったとも言ってましたが。いや本当カンピオーネってどうやったら死ぬんだ、コレ。

転生までされたらお手上げじゃない?

 

飄々と生きている蓮がこれまでの神殺したちとはまた雰囲気が違って、見ていて楽しいですねぇ。

日々を楽しく生きているというか、何があっても動じないタフさがあると言いますか。

発生した特異点を解消した際使った出口は地中海のシチリア島とつながっていて。

蓮達は、つかの間のバカンスを満喫していますが。

梨於奈はあくまで日本に属する霊鳥の化身で、即座に帰国せよと日本のお偉いさんたちからの指示が出ている様子。

彼女はそうした上とのやり取りや柵をうざいと感じつつ、日本と深いつながりと持つがゆえに他所に所属を移すのもはばかられる、と。

 

ジュリオが中々愉快な提案をして蓮も乗り気なのにはちょっと笑いましたね。

これまでの同作者の主人公とは違う個性を持ってるなぁ、蓮。肉食系という意味では『クロニクル・レギオン』は相当でしたけど、征嗣ともまた違う感じの積極性というか。

しかし、彼の性格とステラの能力故ではあると思いますが、神々とも気安く交流しているあたりは大物ですねぇ。

 

神話世界で起きたトラブルを解消して、地上に迫っている災厄を未然に防ごうとしているわけですが。

……これが仮にドニとかがこの世界に来たら、神様連続斬りとか初めて、権能がとんでもないことになりそう。侯爵がそういう事しないかって言うと、全くそんなことないですけど。

今回だって、北欧神話の世界とつながって、フェンリル解放して暴れまわって、ラグナロクまでのカウントダウンを加速させたわけですし。

絶対また横やり入れてくるんだろうなぁ、と思うと。破滅予知の時計を管理しているジュリオの神経がもう少し細かったら絶対倒れてるぞ、コレ……。