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「私だって弱ければ奪われる立場となる。だからこそ強さを求めるという事を忘れてはいけないのだ。自分と同程度の力を持つ存在はいるに違いない、と心に留めておかなくてはな」

 

聖王国というこれまでナザリックが手を出してこなかった国家が描かれていましたが。

それがノリノリのデミウルゴス……否、魔皇ヤルダバオトによる蹂躙になろうとは……これは、なんというか、もう本当にご愁傷様というか。

蹂躙される側の日常をしっかり描いて、持ち上げてから、叩き落すんだからもうただ蹴散らすよりも凄い迫力があるというか……

 

ジェットコースター的みたいな感じで、決して聖王国の人々は無能なわけではなく、しっかり自分達にできるだけの対策を練っていた。

けれど、ナザリックの戦力を相手取るには、全く足りないもので。

まぁ、初期からナザリックが過剰戦力なのは分かっていたことですが、それにしたって。

いい武器がある、とまさかあんな攻撃をしてくるとは予想していなかった、と言いますか。

 

これで心折れずに、他国に応援を求めに行ける強さはあるんですよね。

守るべきものを守れなかった聖騎士長ははかなり心が荒んで、危うい雰囲気になっていましたけど。

個人的に今回一番面白かったのは、アンデッドを忌み嫌う聖騎士たちが、アインズの支配下にあるエ=ランテルを訪れた辺りですかね。

 

「一日この都市で生活すれば危機感も麻痺して気にならなくなるとは思うが、まぁ、最初の一日が問題じゃな」とか入国管理官に言わしめる辺りは吹いた。

というか大森林のナーガだろ、アレ。予想外のところで再登場しててました。

アインズの恐怖を知っている、茶飲み友達の未亡人殿って、この間ドワーフのところで拾ってきたドラゴンなのでは……? とか思いましたが、どーなんだろう。

ドラゴンとナーガが茶飲み友達だったら笑えるというか、魔導国カオスすぎるな……

 

ヤルダバオトを退けたモモンの力を借りたい、と彼らはアインズの元にやって来たわけですが。

治安維持に尽力しているモモンは貸せない……だから私が行こう、とアインズが、単身乗り込むことに。アルベド達の脚本のようですが、単身他国に乗り込む王とは……

上下巻という事もあって、今回はアインズ無双は抑えめで、聖王国の描写が多めでしたね。

アインズの従者としてつけられた、ネイアが勘違いでどんどんアインズの評価を上げていく様子には笑えましたが……どこまで行くのかなぁ、彼女。