「……なんつーか……」
「何よ」
「……面倒くせぇ奴」
テレビアニメシリーズの特典小説、描き下ろしを加えて文庫化。
電撃大王にてコミカライズされたのを読んでいて、大凡エピソードとしては把握してましたが、迷わず購入。
こうやって特典小説を、時間をおいて刊行してくれるのが最近チラホラ出てきてますが。
正直有難いですねぇ。円盤まで追いかけ切れてなかったりしますし。本当なら購入して応援とかも出来ればいいんですけど、懐が寒いとどうにもねぇ。
閑話休題。
5巻と6巻の間のエピソードですね。
農業を営んでいる千穂の父親の実家から急な人手不足による応援要請がやって来て。
まだマグロナルドが改装終了していない為、手が空いていた魔王軍三名が派遣されることに。
元農家の娘である勇者は、実家の農地を潰した魔王たちがどんな顔して農業にいそしむのか、と愚痴をこぼしてましたが……
まぁ、そういう感情を抱くのは仕方ないですよね。魔王もそれに関しては、理解を示していましたが。
それとは別に魔王と勇者が、互いの感情や思考を想像できる自分というのに苛立ちを覚えているのも確かなようで。
このころはこれぐらいの距離感だったよなぁ、とちょっと懐かしくなりました。
親戚から魔王との関係……というか自分の思いについて突っ込まれて慌てふためいているちーちゃんが可愛かったです。
ただ農業に従事して終わらず、厄介事にまきこまれているあたり、誰が招き寄せてるんだかって感じですが。
餌を求めてうろついて居た熊を勇者が対峙したり、近隣を騒がしていた野菜泥棒を捕まえようと動いたり。条件次第で団結できるって言うのは強い。
しっかり泥棒共を捕まえて脅してくれたのにはほっとしました。
勤務先で万引きに悩まされる日々を送っている身としては、盗人は本当許せないので。……まぁ、勇者と魔王におどかされて同じような真似はしないでしょう。
……そこで終わってれば格好良かったのに、熊殺しでオチをつけるあたり魔王様、詰めが甘い。