「――あなたの師匠は最悪の魔術師ですわ」
「……否定はしません」
三田先生の引き込まれる文体で描かれた、あの世界を見事に描いていると言いますか。
Ⅱ世がグレイに魔術講義をする場面。ライネスと会話をしている場面。
それぞれの場面で違う表情が描かれていて。シリアスなところとギャグな場面とでメリハリが効いてる。
現代の魔術師の扱う「天使」。
それが多く展示された、剥離城アドラ。そこの城主が死んだことで遺言が公開され、遺産を目当てに、癖の強い魔術師が集まったわけですが。
戦闘になったら誰と戦っても負けるのは私だ、と言いながらもⅡ世が言葉によってちゃんと渡り合っているのが彼らしい、と言いますか。
彼なりの戦い方を身に着けてるんだなぁ、と変化が好ましいやら寂しいやら。
この城に来た面子はそれぞれに事情があって、それの説明を入れるのがかなりややこしくなるんじゃないかと思ってましたが。
いい感じにはめ込んでいて良質なコミカライズだと思いますね。