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「私たちは生きている。生きているから道に迷い、生きているから嘆き悲しむ。だが案ずることはない。ここには絆がある。一人では立ち直れぬほどの傷を負った時、支えてくれる兄弟がいる。楽土を目指す必要はない。楽園はすでにここにある」

ナナノ里の専属音導師となったイーオン。
シンを傍において相変わらず、酒を飲み、だらだらと寝て過ごしていた。
前回自分の名前を告げてから、結構喋るようになったみたいですね。
ナナノ里の住人達とやかましくやり取りしていました。
わいわい寄ってくる老人たちに対して声を荒げているというのが正しいけど。
まぁ、反抗期の子供を見ている心地なのか、性分かチカヤたちは全く答えてないですが。

なんでシンはあんなにいろいろと言われてなおイーオンの傍にいるのかと思っていましたが。
彼には特殊な感覚があるようです。その場の雰囲気や相手の感情などを味で知覚する。
共感覚の一種ってことになるんですかね。
で、イーオンが音討議をして音叉を鳴らすとき。
彼には例えようのないほどの美味に感じられる。
だから、その場に居合わせるために世話をしている、と。
結構利己的。わかりやすくていいですね。

だらだらすごいしていたイーオンですが、夏季休暇とのたまって、ゴノ里で行われる祭りに足を運びます。
用事があったサヨと、例によって例のごとくシンを引き連れて。
真の楽土ではない、ゴノ里には出散渡人もいて、教会まで作られていた。
荒っぽい連中や、シンと因縁のある相手も出てきて、ずいぶんときな臭い状況のようです。
そういうアレコレがあるからこそ、イーオンが駆り出される事態になっているんでしょうが。

気になるのは、ゴノ里で見せたイーオンの不調。
シンには気付かれていないようですが、サヨは何かを知っている様子。
ハチノ里と呼ばれる墓場の周辺に済むインドウ様が傍についていること。常世の酒が必要であること。
そもそも、なにやら因縁があるようなのに、基本的に真の楽土に引きこもっていること。
怪しい雲行きですが、どうなるんですかね。

今回は1巻のあとがきによれば「成長の夏」ということですが。
シンにまつわるエピソードが中心でしたね。
彼が抱えている絶望の理由。信じたのに、信じられない。
そんな境地に至ってしまった、過去の出来事。
楽土とその周囲ですらなにやらきな臭いのに、楽土の外が平穏であるはずもなく。
大分厄介な状況になっている感じがしますね、外の国。
イーオンとの会話によって、自分の行き先を決めたシン。最初で最後の弟子になった彼はこれからも苦労していくことでしょうが、苦労しただけの幸せを得られることを願わずにはいられない。
レイシャとの別れも、なかなか来るものがありましたが。
主役はイーオンというよりは、シンだったりするんですかね。

さて、ほかにもトウロウが案外重要な役回りというか、裏があるようですけど、彼もいったいどう動くのかが気になりますね。シンと料理の話しているのが似合っていると、想うんですがね。