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「そうかもしれませんね、本当に――そっか、これが夢なのか」

(略)

「夢って、苦しいんですね。楽しくて、まぶしくて、あまりに遠い」目を閉じて息をつく。

「わたしには、自分の夢さえ物語の中のことのようです」

 

歌姫が去り、日常を取り戻した街。

冒険者が活動を再開したり、歌姫効果で在庫品薄になったりしてすべてが元通りになるにはもう少しかかりそうですけど。

ユウの喫茶店は、営業時間を通常に戻して、穏やかな時間を取り戻していました。

季節に合わせ暖炉を稼働させたり、リナリアは試験の準備で忙しく来る頻度が下がったりと、こちらはこちらで変化もありましたけど。

 

暖炉前で丸くなってるノルトリが可愛いです。

ティセから来た手紙へ返事を書くためにアイナに字を教わり始めてましたし、こういう場面があったんだろうなぁ、と思うとちょっとほっこりする。

喫茶店の看板を書いた画家のエピソードが入って、いい感じのオチがついたりもしてましたが。

 

アイナに持ち上がった結婚話。

そして、同時期に街に広がったあるチェスセット。高名な職人の手によるもので、なぜか駒がバラバラに売り出されて。

それを求める人々が賭けチェスをする、なんて動きが街で置き、ユウも順調に巻き込まれてました。

この世界の貴族が面倒くさいのか、アイナの家族が面倒くさいのか知らないですが、回りくどい手を打つなぁ、とは思いましたね。

 

熱を出したユウが見た、地球に残した家族の描写が少し入って。

「帰っておいで」と言われて。「あなたの居場所はそこなの?」と言われて。応えられなかったユウ

おきた後、夢は夢でしかないという彼の姿がちょっと寂しいですね。

 

マスターとして生活しているユウの事も好きなので、すぐさま帰ってほしいってわけではないのですが。やはり残したものを考えると、どうしたって寂しさが募るでしょう。

歌姫たちと出会い、いなくなった、この世界に来た「誰か」の存在に触れられた後みた夢って言うのが、ちょっと気になりますねー。