
「美世さま。泣くことは、悪いことではありません」
(略)
「むしろ涙を我慢して、お気持ちをため込んでしまうほうが、よほど悪いのですよ」
ガンガンオンラインでコミカライズが掲載されていて、そちらで気になったので小説も購入。
名家に生まれたものの、母が早くに亡くなり、後妻と異母妹に虐げられていた美世。
特殊な力でしか倒せない怪異が出る世界で、異能持ち故に栄えた家柄で、美世は異能を発現しなかったため父も彼女を重視せず。
彼女に味方した使用人は追いやられ、一般的な令嬢とはかけ離れた生活を送る毎日。
そして父親は、彼女を政略結婚の駒として使うことにして。
相手は、婚約者候補が三日と持たず逃げ出したという悪評の持ち主。
美世が朝食を作った時なんか毒を疑ったりして、酷い事言ってきましたが。……後に「言い方がきつかった」と自覚できるあたり、人付き合い苦手なだけだよな清霞……。
美世がこれまでの候補とは違う部分が気になり、不快感もなく、様子見をすることに。
通いの使用人であるゆり江の手伝いをしたりして、段々と認められていくのがほっとしますね。
清霞が美世を気にして、優しくしていく様子がとても微笑ましい。
彼女の母が特殊な血筋だったがゆえに、欲しがっている連中が横やりを入れて来たりもしてましたが……
美世も強くなって、譲れないことを主張できるようになったのが、本当に良かった。