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「此処で待っていてください。届かせますから」

 

作者さんのサイト「no-seen flower」の短編集をまとめた一冊。
電子版を購入。
-world memoriae-シリーズ以外のも掲載されてますが……なんか長くなったので記事分割してます。
ネタバレ注意。

 

◇Unnamed Memory

『雪』。温暖なファルサスでは見られないもので。

遊ぶために城内限定とはいえ雪を降らせるとはさすがはティナーシャ。

『紫恋歌』。旅路にある二人が立ち寄った街で、ちょうど祭りの時期で。

歌比べをして神に祈りをささげる歌姫を決めるのが目玉だとか。

選ばれると金が出る事もあって、まぁ、騒動の種にもなっているようですけど。

ティナーシャが格の違いを見せてくれたのはスカッとしました。

『光』。魔物憑きとして隔離された片割れを魔女が見つける話。

後日談のおまけもついていましたが。ティナーシャ、オスカー大事過ぎて大体受け入れるのがよくわかる、というか。オスカーも思い出してから全部律儀に謝ってる辺りはちょっと笑ってしまった。

 

『朝』。魔女は朝が苦手。覚えた。

「人間の可能性を信じる」とはいえ、限度があるんじゃないかな……。

先日ツイッターで見たオスカー、こちらで言うと5時くらいに起きてるって言うのは、起床時間として早い方だと思います。放っとくと13時まで寝ているティナーシャもティナーシャですが。

『消えた名』。消された試行の1つ。

戦場から連れ帰った魔女が生きたいと思えるかどうか賭ける話。

決定的な決裂を前に巻き戻ったそうですが……続いて居たら『神の名』のような結末になったんだろうなぁ……

 

『花』。またオスカーが興味で動いてるなーというか。

肌に花の絵を描いた旅芸人を見て、ルクレツィアに昔ティナーシャがやった、という話を聞いて。自分で描こうとする辺りが安定のオスカー。

オスカーが膝を折ってるのが落ち着かないというティナーシャに、お前も女王だし時代が違ったらありえただろう、という仮定の話も出てました。

速攻でオスカーが自分の騎士だったらいびるというあたり日頃の行いが……いびってもそれでも来るという信頼もあるようでしたけど。

『体の時間』。レオノーラ戦の後の二人の会話。あけすけすぎるオスカーが好きです。

『旅路』。呪具を巡る旅の断片。笑いあっている二人が、穏やかで良い。

 

『猫の爪』。傍から見ると女子供の喧嘩としか見えないそれで、大陸傾けられるとか恐ろしいわー。

『月蝕』。転移門を開くために町のはずれに行き……何者かに追われている少年を、保護した。酷い偶然もあったものだ、と言いますか。

喪われないものはないと知ってはいても。ファルサスで何がしかが起きて、血が流れているのが少し悲しい。

まぁ、『Babel』の頃なんて公式に残った直系2人とかいう惨状でしたから、長生きしてる方なんでしょうけど。

『起床』。微睡から覚めたとき夫の声が聞こえて。ティナーシャが彼に歌ってくれというのは中々珍しい場面ですねー。逆は多いですけど。