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「親父殿、駆け引きは不要だ。俺は既に決めている。負ける気はないし何かを手放すつもりもない」

 

あぁ、やっぱり好きだなぁ。

ラノベニュースオンライン191月期で3冠を達成したというのも納得というか。

この作品に票を入れてくれた人がたくさんいるんだと思うと、凄い我が事のように嬉しいですね。

 

今回は、冒頭の章から書き下ろしがあり、加筆も多く読み応えがありました。

後はイラスト。帯裏にも出張してきていた、イラストが美麗で。ティナーシャの黒いドレス姿が素敵です。それぞれに武器をもって危うい状況でもあるんですが。

挿絵にイカが登場してるのも笑いました。ラノベで巨大イカの挿絵は流石にはじめて見た気が。

 

書き下ろしの冒頭「魂の呼び声」。

城下町で見つかった怪しい魔術具。それに禁術の気配を感じ取ったティナーシャとオスカーが調査に赴いて。

この二人、能力高くてフットワークも軽いから、こういった騒動もさくっと解決しちゃうのにただただ感心してしまう。悪人はご愁傷様。

いやまぁ、悪巧みしてるところに王剣の持ち主と魔女がくるとか普通想定はしませんが。

 

青き月の魔女、ティナーシャ。

最強と呼ばれた彼女が四百年生きたわけ。秘めていた過去と、探し続けていた者。

「罪」故に、彼女は魔女として行動した。

オスカーの呪いを解いて契約者との柵をなくし、ナークを託し、彼に王族としての責務を説き……ファルサスを去った。

 

その彼女を追う事に躊躇いがないオスカーが、もう格好良くて。

父からの叱責にも覚悟を持って返答する様が。王位を継ぎ、自身の為すべきを為し続ける姿が。

真っ直ぐで、眩しい。ルクレツィアがこぼしていましたが、このタイミングで、オスカーが居てくれて良かった。

騒動が終わってからの「海の青」での二人の交流とかを見ていると本当にそう思います。

 

……真面目に助言とかしていたかと思ったら、媚薬盛りにくるあたり、ルクレツィアも魔女だなぁ、と思う部分もありますけどね!

「緑の蔦」が結構別物になったりもしていましたが、総じて言えるのは、今回も面白かったという事ですね。



◇おまけ

今回は販売店でのSS特典はなかったようですが、作者さんが自サイトにて公開しております。

書籍を買って、サイトにアクセスして読もう!
文章は素直に読んで足し算しような!(二十ってあったら、2と10じゃなくて20だよ)