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「わたくしが行きます」

「ローゼマイン様!?」

 

プロローグはシャルロッテ視点。

ローゼマインとヴィルフリートの婚約によって、アウブになる道は途絶え、兄姉の補佐を望まれるようになった。

物足りなさを感じつつも、ローゼマインへの恩返しの為に頑張れる彼女は、本当にすごい。

兄はもうちょっと見習え……って思ってしまいますね。

 

ローゼマインが実行した髪飾りを配る、という作戦についてもシャルロッテの側近から見ると「声をかけてもらいたかった」案件なのかぁ。

領主候補生難しいわー。シャルロッテがちゃんと窘めたり、逆に側近に背を押されたりと良い関係が気付けてるのにはほっとしましたけど。

 

講義が始まり着実に合格し、今年もどんどん話題を作るローゼマインよ……

うん、まぁ彼女はこうやって勝手気ままに動かしてる方が成果上げますよね。自分の好きなものに突撃するための手間を惜しまないから。

フラウレルムがエーレンフェストの妨害をしようと、課題を変更したりしてましたが。過去の問題を引っ張りだしてきたもので、そこを抑えていたエーレンフェストは無事合格。

しかし、研究領地のドレヴァンヒェルにおいても、講義課程の変更が問題になってなかったのは意外。地頭がいいから、現場で覚えられてどうにかなってたという事だろうか。

 

今回収録のエピソードでは、ローデリヒ回りの話が好きですね。

言葉を尽くして、願いを告げる姿。挿絵にもなっていましたが、願いと焦燥とが混じった良い表情だと思うのです。

名を刻む魔石を得るための採集から発展した魔獣退治と、癒しの儀式もローゼマインがいたから被害が抑えられましたしね。

次の騒動に繋がるタネにもなってましたが、裏で暗躍している陣営が居る以上、どうせ別の形で問題は起きたでしょうし。被害を抑えるという意味でファインプレー。

癒しの儀式をしているローゼマインのイラストが口絵と挿絵でそれぞれ雰囲気が違って良かったです。

 

巻末の短編一つもローデリヒ視点でしたしね。

ハルトムートがいい仕事しているとみるべきか。

魔石を得る資金が足りないローデリヒに、旧ヴェローニカ派を利用しろと助言して。

ラウレンツはその状況をもって、逆にローデリヒの扱われ方を見る事で、指針と出来ると利用しかえす算段。それを口にしてる辺り、善良ですよね。

 

もう一つ、ルーフェン視点の旧ベルケシュトック寮の探索。

封鎖された寮から魔獣が来た形跡があるため、調査する事になっていましたが。

フラウレルムは本当にろくな事しないな……誤魔化すにしても方法が荒い。

初手ヴァッシェンは無いでしょう……ヒルシュールが研究以外にも色々考えている事とかが知れたのは良かったですね。

騎士団長がやってくる流れにグンドルフ先生が関与してるのは驚き。

確かに傍から見てるとエーレンフェストに大きな被害出てないように見えますね。

領主候補生の魔力という貴重な資源をこれでもかと使って、領主候補生倒れてるんだけど。

……ローゼマインが倒れるのいつもの事だからなぁ……