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「大丈夫だ。だいたい、満足しているから」

ツカサさんに、未来から来たという事を告げて。

「未来とやらは、どうなっているんだろうな」と呟く彼女の理解が切ない。

横寺が、言葉を紡げなかったのも無理はないですね。

大人の相談相手が出来たとはいえ、すぐさま状況が改善していくわけでも無くて。

 

それどころか、ツカサさんが緊急入院する状況にまでなって。

二人は子どもだけでこの時代の猫神に会いに行くことに。

変態王子の本領発揮回みたいになってましたけど……なんというか、ここまで来ると流石としか言いようがない。補導されないようにだけ気を付けて下さい。

 

そして猫神からいくつかの事実を聞いて。

終盤、ツカサさんが流した涙が、どうしようもなく痛い。

それでも「もういい」と「健やかに生きろ」と言ってくれる彼女の強さが、印象的なエピソードでした。

「これは願いの話だ。大切なだれかのために祈った人の話だ」。

地の文で描写された、この一文が全てではないでしょうか。

 

変態王子と笑わない猫。 (11) (MF文庫J)
さがら総
KADOKAWA/メディアファクトリー
2016-04-25