Icy Prayer編の百題1~2の感想。
件数が多かったので分割。
no-seen flower 100題感想
作品別。表記は
【100題の番号-100題内の番号『タイトル』】
例:100題1の1.洗脳の場合は1-1『洗脳』。

1-1『洗脳』
「やさしいけどこわい」
レーンに引き継がれてしまったニンジン嫌い。
それを改善しようと雫が全力を出す話。
……彼女も、退かないからなぁ。

1-23『理屈』
「姉さんって本当に絵が下手だね」
ジウとシスイの姉弟の話。
意外なことにジウは絵が苦手ということで。
シスイは姉の絵をかなり酷評していましたが、物おじしない性格は母親似かな?

1-42『愛玩』
「海に行きたいわ」
ファルサスを訪れていた時に、海に行きたいとエウドラが言い始めて。
じゃあ行くか、というあたり王も行動力があるというか。
お目付け役としてきていたニケが、せめて女王の許可を取ってくれと止める役になっていて位に穴あきそうだなと思いました(小並感

1-52『交換』
「大事なものは素直に大事だと仰った方がよいですよ。
 そうすれば周囲の者は手を尽くします」
イルジェ作の挑戦的すぎるケーキから逃げて。
シスイがその後に普通のケーキを持っていく、と。
ふざけながらもまじめに諭すこともできるんですよね、シスイ。
そのギャップが好きですけど、振り回されてるエウドラは大変そう。

1-56『無知』
「お父さん、質問いいですか?
父と母の情報を継いで生まれる。
でも、子を産むのは母親なのに、父の情報はどこから来るの?
という子供たちの純粋な疑問。
それに真面目に応えようとするからエリクは……雫が止めに入るのが間に合って良かった。

1-57『譲渡』
「メアはあなたを守ってくれるから」
ジウが十二歳の時、母から使い魔の契約を移すことになって。
雫とはまた違った形で交流をして、つなげていく関係が素敵です。

1-88『恐怖』
「というわけで、不審な蛇を躊躇なく掴まれても困る。
 ―――― あいつに恐怖心というものを植えつけろ、シスイ」
暗殺用に放たれた毒蛇。
それを畏れずに、手でつかむエウドラの無邪気さよ。
女官の制止が間に合ってよかったし、対策が必要なのは確かでしょうが。
怪談をして恐怖心を植え付けるっていうのはちょっと斜め上では。

1-89『蜜蜂』
「エウドラ、来たな。今日は手が込んでいるぞ」
イルジェの手が入った奇怪なケーキ。
それに手を貸すシスイの腕前そのものは卓越しているので、エウドラは何度もつられて痛い目を見ているようですけど。
王族が、蜂蜜取りにいくな。好奇心の塊かよ……

1-92『喧嘩』
「いいわけない。だからこっそり行くのさ」
父親が半日不在の隙をつき、外に出かけたセファスとレーン。
ファルサス直系は、空いた時間に脱走しないとならない血でも継いでるのか。

1-96『利益』
「ジウの苦言はいつ聞いても耳に甘い」
勝手に城を出たセファスを注意するジウの話。
よくこの状況を楽しめるよなぁ。叱られたくてやってるってのはあるでしょうけど。
怒っても喜ぶから、と途中で切り上げるジウも慣れてますね……

1-99『巨樹』
「どう言ったらいいかな。―――― 最終形態?」
シスイの研究の副産物というか。
種が残っていたのか、なぜかジウたちの自宅に君臨して。
処理するためにニケを呼び、こっぴどく怒られてるのは、うん、仕方ないよ……

2-2『棄てられない思い出』
「うん。ありがとう」
ジウが結婚して、荷物をまとめているエピソード。
シスイがかなり手慣れているというか。
取捨選択が得意な感じですかね。てきぱき進んでいって、かなりあっさり風味。

2-5『綺麗な空』→Babelの項。

2-9『仄かな異臭』
「人選を間違ったか?」
失敗作となったケーキ「ナレノハテ」。
それの試食をさせられることとなったニケ。
気合で平静を装って、食レポをした君は凄い。尊敬する。

2-13『絡みつく黒』
「動けないんだけど。助けて」
雫一家の子供が小さかった頃。
海に遊びにいって、何かに足をとられたジウ。
父に似たのか悲鳴を上げるでもなく、冷静に何かおかしいと会話してる辺り子供らしからぬ、というか。
エリクが慌てて駆け付けた、という部分に変化を感じましたねぇ。

2-14『明るい征服計画』
「大陸征服とかしてみたいね」
どこまで冗談でどこまで本気なのやら。
兄たちの交渉を見て、巻き込まれる前に逃げたレーンはナイス。

2-18『極彩色の悪夢』
「いらないわよ! どう見ても食べられない色してるじゃない!」
シスイ謹製、原色盛りだくさんケーキ。
なぜそこに全力を尽くしたんだ……
着色料の研究に凝ってるって、オイ。

2-20『苦い日のこと』
「お前は結構母親似だな」
キスクの恒例行事、花雨の日。
そこで花売りをしているシスイにニケが出会って。
律儀にツッコミ入れるから毎度巻き込まれると思うんだけどなぁ。

2-26『曖昧な過程』
「とうさまは、どうしてかあさまと、むすばれたの?」
父親に、母とのなれそめを聞いたエウドラ。
幼い子供に色々吹き込んでましたが……
後日ニンジンが山のように贈られたとかで、それでいいのかオルティア……

2-28『届くことのない説教』
「僕はね、レーン。競争相手を追い落とすことを悪いとは思わないよ。男であっても女であっても好きにすればいい。
 だがそれさえ上手くやれずに醜く露呈する人間は論外だ。
 優雅に人知れず邪魔者を排除出来るほどの女なら―――― いつでも喜んで妃にしてやろう。僕が上手く使ってやる」
もうこの一文に集約される、エピソードですよね。
言い寄ってくる令嬢相手にセファスが毒を吹き込んで。
まぁ、それで醜い争いに発展する方もするほうですが。
彼の御仁の裏も知り、上手く交わすなりしないと隣に立つの難しいだろうなぁ。

2-35『愛すべき女王』
「姫、本当にそんな人間が……いたんですか?」
エウドラが見た青年。けれど記録は残っていないとシスイは言って。
からかいまくっているようで、彼なりに王女を尊重してるんだというのが分かって良いエピソード。

2-53『見慣れた貌』
「……まじで勘弁して」
刺客が増えているから外にでるなというジウ。
誰が僕を殺せるんだ、と聞かないセファス。
いやまぁ、ファルサス王家はアカーシアの継承問題があるから多くが腕利きですけどね。
いつの時代もいさめる存在が居るんだなぁ、というか。変わらんなこの王家。

2-54『優しい午後』
「好きに飾っておけばいい」
ニケが迎えた妻、マーリア。
彼女との交流の話。
言葉数は多くないですけど、ちゃんと彼女の事を見てるのは良いですねー。

2-56『貴重な情報』
「好きに飾っておけばいい」
ニケを名指ししたマーリアに興味をもってセファスがやってきて。
彼女にいくつか問いを重ねて認めた後に、ニケに「色々聞いたよ」というあたりは性格悪い。
ニケ胃が痛かったろうなぁ。

2-59『厄介な花束』
「ガンドナか。いい度胸だね」
ジウに花束を贈った相手を聞き出して。
レーンが外で慌ててましたが。
うまいことジウが嵐を回避してくれてほっとしたようですが。
王子がその花束もっていって飾るとか、怖い。

2-61『子供の頃の思い出』
「ジ、ジウ、これは……」
幼い頃から絵が苦手だったジウ。
その絵をイルジェが壁に張って。
臣下たちは、何も言えずに壁が見えなくなるまで続いたとか。
凄まじいな……

2-65『射抜く矢』
「許可する。射落とせ」
シスイの隠れた才能、というか。
隠している技術。
使えないと思われていた方が有利だから、と手札を隠しているあたり王族の側に居るものとして、覚悟が感じられていいですねぇ。

2-82『尽きた気力』
「……暇だな」
シスイが体調不良で休んで、物足りなさを感じるイルジェ。
彼が物足りない方が、周囲は穏やかなんだろうなぁ、とは思いましたが。
薬草調合してて爆発って何してんだシスイ。

2-88『残酷な愛情』
「まったく駄目な奴だ。あれは当分結婚出来ないね」
妹を大事にするあまり、他の少女のドレスをみて「エウドラにも似合いそう」とか言っちゃうのは正直すぎる。
セファスが大笑いするのもうなずけるわ……

2-92『いつか来る日』
「いつかこんな日が来ると思ってたよ」
シスイの暴走植物編。
二十歳になってなお何をしてるんだ。
完全に根付いて、上を焼き払っても根絶できない、という厄介さ。
根に耐火性能までついてて完全ですね! 馬鹿か。
改良を続ける根性は評価したい。